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平成二十九年二月二日提出
質問第四六号

日米地位協定の軍属に関する補足協定に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




日米地位協定の軍属に関する補足協定に関する質問主意書


 二〇一七年一月十六日、日米両政府は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を補足する日本国における合衆国軍隊の軍属に係る扱いについての協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(以下、日米地位協定の軍属に関する補足協定という)を締結した。また、同日の日米合同委員会において「合衆国軍隊の軍属に係る扱いについての協力」(以下、軍属の扱いに係る日米合同委員会合意という)について合意している。
 日米地位協定の軍属に関する補足協定や軍属の扱いに係る日米合同委員会合意は、二〇一六年四月に沖縄県うるま市で発生した元海兵隊員の米軍属(以下、元米兵軍属という)による当時二十歳の女性に対する暴行殺害事件(以下、うるま市における女性暴行殺人事件という)を受け、米軍人・軍属への特権付与や我が国の法律の適用免除等を規定する不平等・不公平な日米地位協定に怒り、沸騰した沖縄世論を鎮めんとするための日米両政府による対症療法にすぎない。
 二〇一七年一月二十八日付の「沖縄タイムス」及び「琉球新報」によると、右女性暴行殺人事件で起訴された元米兵軍属の被告人の主任弁護士は、殺意を否定し、殺人罪の成立について争うものの、強姦致死罪と死体遺棄罪については、起訴事実を認める方針であることを明らかにしている。
 私は、本土復帰前から復帰後の今日まで沖縄で多発する米軍人・軍属の犯罪は、不平等・不公平な日米地位協定によって、我が国の警察権や裁判権が著しく制限されていることに起因しているものと理解する。不平等・不公平な日米地位協定の抜本的・全面的改正なしに、米軍人・軍属が惹起する犯罪から沖縄県民をはじめとする日本国民の基本的人権や生命・身体の安全、人間としての尊厳が守られることはない。
 日米地位協定の軍属に関する補足協定や軍属の扱いに係る日米合同委員会合意によって、軍属の範囲の明確化を図ったところで、多発する米軍人・軍属の犯罪抑止としての効果は皆無であるに等しい。
 以下、質問する。

一 日米地位協定の軍属に関する補足協定を締結するにあたり、政府が把握しているところの直近の在日米軍属及び在沖米軍属の人数について陸・海・空・海兵隊の四軍別に示した上で、軍属の範囲を明確化することによって米軍絡みの事件・事故が抑止されると判断するに至った理由を明らかにされたい。
二 軍属の扱いに係る日米合同委員会合意の3で「軍属の構成員としての地位を付与する」とされた八つの種別に基づき軍属を分類すると、日米地位協定の軍属に関する補足協定の発効の前と後で、軍属の人数は具体的にどのように増減するのか。在日米軍属及び在沖米軍属それぞれについて陸・海・空・海兵隊の四軍別に示した上で、右補足協定締結の意義、すなわち政府のいう「従来の運用改善とは一線を画す画期的な意義」の意味するところを明らかにされたい。
 また、右補足協定締結によって、うるま市における女性暴行殺人事件で起訴された元米兵軍属の被告人は、軍属の構成員としての地位を付与されるのか。付与される場合、軍属の扱いに係る日米合同委員会合意の3で「軍属の構成員としての地位を付与する」とされた八つの種別のうち、どれに分類されるのか明らかにされたい。
 なお、具体的な人数や右被告人が軍属としての扱いを受けるのか否かを公表できないのであれば、右補足協定及び日米合同委員会合意は、米軍人や軍属による犯罪抑止の観点において、何らの実効性も持たない「ザル協定」との誹りを免れないと考えるが、政府の見解を示されたい。
三 軍属の扱いに係る日米合同委員会合意の3のf.の2)でいう「合衆国軍隊の任務にとって不可欠」であるか否か、また「任務の遂行のために必要な高度な技能又は知識を有している」か否かを認定する主体は、米国政府か、それとも日本政府か。また、認定する主体が米国政府である場合、当該認定を不服とする日本政府が異議申し立てできるような制度設計になっているか、その手続きについて明らかにされたい。
四 軍属の扱いに係る日米合同委員会合意の3のf.の2)のe)には「合同委員会により特に認められること」、また同合意の3のh.には「合同委員会によって特に認められる者」との規定があるが、かかる規定に基づき日米地位協定上の軍属の構成員としての地位が付与される場合、当該合意が公表される制度設計になっているのか。仮に、当該合意があった事実さえ非公表であれば、日米地位協定の軍属に関する補足協定や軍属の扱いに係る日米合同委員会合意は、「秘密協定」との誹りを免れないと考えるが、政府の見解を示されたい。
五 軍属の扱いに係る日米合同委員会合意の5のd.には「a.にいう(コントラクターの被用者が軍属の構成員としての資格を有するかについて判断するための)見直しの進捗状況は、半年ごとに日本国政府との間で共有され、その最終的な結果は、協定の発効後二年以内に日本国政府に報告される」との規定がある。当該報告で政府が得た情報は、米軍基地が所在する都道府県や市町村(いわゆる関係自治体)との間で共有されるのか、情報提供の手続きについて明らかにされたい。

 右質問する。



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