質問本文情報
平成二十九年三月二十八日提出質問第一七三号
精神保健福祉法の改正案の立法事実に関する第三回質問主意書
提出者 中根康浩
精神保健福祉法の改正案の立法事実に関する第三回質問主意書
平成二十九年三月十七日提出の質問第一四〇号に対する三月二十八日の答弁書について以下の通り質問す
る。
この答弁では、事件被告の「障害者は不幸だから抹殺が最善の救済方」という趣旨の発言にみられるような、いわゆる「優生思想」の根絶にとっても今回の精神保健福祉法改正が有効であるということを含意するものか。政府の見解を示されたい。
二 今回の精神保健福祉法改正案にある、都道府県等に設置が義務付けられる「精神障害者支援地域協議会」が作成する退院後の支援計画の中に、いわゆる優生思想を当事者から排除するプログラム等を盛り込むべきと考える。政府の見解を示されたい。
三 答弁書で、退院後支援計画は「行政による犯罪抑止のための継続的な管理や監視を目的とするものではない」としているが、そうであるなら、精神障害者支援地域協議会の代表者会議に警察は常時加わるべきではなく、必要に応じて連携することにとどめるべきと考える。政府の見解を示されたい。
四 答弁書において、退院後支援計画の作成に時間を要することを理由として入院期間が長くなるようなことがない仕組みとしていると答弁している。
では、この退院後支援計画の計画期間には上限の設定はなされているか。本人の意向とは無関係に永続的に監視されるような誤解を生じさせないためにも一定の期限を設けるべきと考える。政府の見解を示されたい。
五 退院後支援計画期間中に、当事者が転居した場合には、移転元の自治体から移転先の自治体に支援計画の内容を通知することになっているこの自治体間での通知に際してはそこに過不足があってはならない。これを防止するため通知の内容を本人に知らせるべきだと考える。政府の見解を示されたい。
六 精神障害者支援地域協議会の代表者会議は措置入院の診察段階で他害のおそれが精神障害によるものか、判断が難しい場合で「確固たる信念を持って犯罪を企画する者」を協議の対象として、このグレーゾーンにある人を強制的に入院させ、退院後も監視することができることになる。これは予防拘禁につながると懸念する。政府の見解を示されたい。
七 答弁書で政府は、法改正の中身を地方公共団体に周知することを強調している。しかし、今回の改正内容は、自治体や国民に周知すればするほど精神障害者は犯罪を起こしやすいとの誤解や偏見、差別を助長する恐れが生じてしまいかねない。周知には、細心最大の配慮が必要と考える。政府の見解を示されたい。
右質問する。