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平成二十九年五月十日提出
質問第二九〇号

北部訓練場県道七十号線情報公開訴訟に関する質問主意書

提出者  仲里利信




北部訓練場県道七十号線情報公開訴訟に関する質問主意書


 去る三月七日、那覇地方裁判所は東村高江等を通る沖縄県道七十号線の日米共同使用を巡り、日米両政府と沖縄県が結んだ協定書等の公文書について、両政府の同意を得ずに県が開示決定したのは違法であるとの政府の主張を認め、同決定を取り消した。
 そこで以下お尋ねする。

一 国が「公文書開示により侵害される」と主張した米国との「信頼関係を損なわれない利益」とは一体どのような利益なのか、具体的に明らかにされたい。
二 公文書の公開により生じる「日米両政府の支障」とは一体どのような支障なのか、具体的に明らかにされたい。
三 政府が言う「土地の所有者として有する固有の権利」とは一体どのような権利なのか、具体的に明らかにされたい。
四 国が原告となり得る資格について、法的な根拠を明らかにされたい。
五 県道七十号線は、沖縄の復帰前から存在していた道路であり、地域住民の生活道路として、また県民のやんばるへの移動道路である主要地方道国頭東線として頻繁に利用されている道路である。そうであるが故に沖縄県は昭和五十三年に共同使用を要望し、日米両政府もこれを認めていたのではないか。政府の認識と見解を答えられたい。
六 質問一〜五に関連して、政府は、公文書を公開しないことにより「日米両政府の支障」や「信頼関係」、「固有の権利」を損なわないことが大切であると主張する。しかし、我が国の憲法で保障する主権在民や立憲主義、民主主義、地方自治に基づくならば、地域住民や県民が生活や移動のための道路として日常的に使用している県道七十号線に関する共同使用の条件について「知る権利」を行使することは当然であると思われるが、政府の認識と見解を答えられたい。
七 質問六に関連して、政府が主張するように「米側との信頼関係を損なわない」ことが、国民の知る権利より優るものだとする法的な根拠を明らかにされたい。
八 政府が地域住民や県民、県の意見や要望を聞かずに、沖縄県管理の道路を共同使用から一方的に米軍専用区域に変更する理由及びそれを可能とする法的根拠を明らかにされたい。
九 今回の公文書開示は、県管理の道路の共同使用の条件に関するものであり、米軍施設や基地の運用状況に関するものではなく、したがって重大な機密の公開になるものではないと思われるが、政府の認識と見解を答えられたい。
十 今回問題となっている文書は、県の共同申請を受け、米側提案の使用条件を那覇防衛施設局長が県に照会した一九八一年の通知の一部と、米軍、那覇防衛施設局及び県の三者間で一九九〇年に締結した協定書の二件、英訳文書の計四件であるが、なぜこれら通知の一部と協定書が政府の言う「日米合同委員会の議事録の一部」となり得るのか、その根拠を明らかにされたい。
十一 政府は、米軍や米国政府が「公表に同意しない」と言えば、どのような文書でも開示できないと考えているのか、明らかにされたい。
十二 開示や不開示の判断を日米両政府の判断に任せると、今後はいかなる文書でも開示できないことになり、国民の知る権利が損なわれることになるものと思われるが、政府の認識と見解を答えられたい。
十三 本職は、平成二十九年二月十日付けの質問第六〇号で「組織犯罪処罰法改正案の提出を目論む政府の真意と同法案の危うさに関する質問主意書」を提出し、その中で江戸時代の「民は之に由らしむべし之を知らしむべからず」との統治方針を例示して、同法案の制定により我が国が戦前回帰して、主権在民と情報公開が損なわれる懸念が高まっていることに警鐘を鳴らしたところであるが、今回の訴訟及び判決は正しく本職の懸念を証明する動きそのものである。すなわち、政府が隠したいと考える都合の悪いことは、行政と司法が結託して一刀両断に切り捨てるとともに、憲法を改悪して国民の知る権利をないがしろにしようとしているものと思われるが、政府の認識と見解を答えられたい。

 右質問する。



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