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平成二十九年五月十一日提出
質問第二九九号

義務教育の無償制度に関する質問主意書

提出者  井坂信彦




義務教育の無償制度に関する質問主意書


 教育の無償化について、子どもの貧困や憲法改正など様々な角度から議論されているが、現行法で普通教育と規定されている公立の小学校および中学校の教育に関し、憲法第二十六条第二項や各種法令が規定する義務教育の無償制度の範囲について改めて確認する必要があると考える。
 最高裁判所裁判例(昭和三十九年二月二十六日大法廷)によれば、「教育提供に対する対価とは授業料を意味するものと認められるから、同条項の無償とは授業料不徴収の意味と解するのが相当である。」「教科書、学用品その他教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものと解することはできない。」とある。すなわち、授業料は無償であるが、個人に所有権が帰するような教科書、学用品についてまでは憲法上、教育無償制度の範囲とはされていないと解する。
 一方で、上記裁判例では「憲法はすべての国民に対しその保護する子女をして普通教育を受けさせることを義務として強制しているのであるから、国が保護者の教科書等の費用の負担についても、これをできるだけ軽減するよう配慮、努力することは望ましい」とされており、各種立法措置がとられてきたところである。
 さて、学校運営協議会制度や学校支援地域本部事業など地域と学校のコラボレーションやいじめ防止への取り組みなど裁判例の当時にはなかった制度や事業、ニーズが、その後、生じている。こうした事業などへの費用の負担のあり方が問題となるため、以下の質問をする。

一 学校運営協議会制度や学校支援地域本部事業など学校運営に要する費用について
 (一) 右記費用の全部または一部を保護者の負担とすることは憲法上許されるのか、政府の見解は如何に。
 (二) 仮に憲法上許されるとされた場合であっても、法令上は許されるのか、政府の見解は如何に。
 (三) 許されない場合、許されない根拠法はあるか。
 (四) 保護者の一部負担が認められるとする場合、それはどのような支出についてか。
二 いじめ対策のアンケート調査など学級運営に必要な経費について
 (一) 右記費用の全部または一部を保護者の負担とすることは憲法上許されるのか、政府の見解は如何に。
 (二) 仮に憲法上許されるとされた場合であっても、法令上は許されるのか、政府の見解は如何に。
 (三) 許されない場合、許されない根拠法はあるか。
 (四) 保護者の一部負担が認められるとする場合、それはどのような支出についてか。
三 義務教育の無償の範囲について、政府としての見解はどのようなものか。

 右質問する。



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