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平成二十九年五月十二日提出質問第三〇五号
政府の提唱するクールビズにおける冷房使用時の室温設定温度に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
政府の提唱するクールビズにおける冷房使用時の室温設定温度に関する質問主意書
五月十一日に首相官邸で開かれた副大臣会議で、政府の提唱するクールビズの冷房使用時の室温設定が議論になり、環境省の関芳弘副大臣が「二十八度は不快な温度だとの声があったので、対応を検討したい」との見解を示したことが報じられている。
環境省のホームページでは、「環境省では、地球温暖化対策のため、平成十七年の夏から、冷房時の室温を二十八℃で快適に過ごせる軽装や取組を促す「クールビズ」を提唱してきました。これまでの継続的な呼びかけにより、現在のクールビズの認知率が約九割と社会的にも定着してきました。今年の実施期間も昨年と同様、五月一日から九月三十日までといたします。自宅やオフィス等におけるクールビズの実践率がさらに向上するよう、引き続き呼びかけてまいります」と示されている。
これに関連して、菅官房長官は同日の記者会見で、「皆さんが過ごしやすい温度でいいのではないか」と述べ、冷房の温度設定は柔軟に対応するのが望ましいとの考えを示した。
これらを踏まえて、以下質問する。
二 この環境副大臣の発言を受け、室温設定温度の見直しに関する検討チームなどが立ち上がり、見直し作業がはじまるという理解でよいか。
三 「地球温暖化対策のため、平成十七年の夏」に、「冷房時の室温を二十八℃で快適に過ごせる軽装や取組を促す「クールビズ」を提唱」するにあたり、室温設定温度を二十八度とすることはどのような根拠で決められたのか。具体的に示されたい。
四 室温設定温度の二十八度に科学的根拠がないとすれば、「地球温暖化対策のため」という目的に対する科学的な方法とは言えず、環境省が主張している「地球温暖化対策のため」という表現は不適切ではないか。
五 官房長官発言の、「皆さんが過ごしやすい温度でいいのではないか」という見解は妥当であり、冷房の温度設定は柔軟に対応すべきだと思うが、仮に二十八度から二十七度に室温設定温度が引き下げられた場合、どの程度、地球温暖化対策のためにマイナスの影響が生じるのか。
六 五に関連して、仮に二十八度から二十七度に室温設定温度が引き下げられた場合、政府は、日本全国および首都圏での電力消費量がそれぞれどの程度上昇すると見積もるのか。
七 本年の七月および八月のわが国の最大電力需要を勘案した場合、かかる室温設定温度はどの程度まで下げ得るのか。その概数について、政府の見解を示されたい。
八 「皆さんが過ごしやすい温度」で、クールビズにおける冷房の温度設定を柔軟に対応する場合、最大電力需要が増加することは容易に予測できる。この場合、政府は、必要とされる発電量を安定的に確保するため、原子力発電所の再稼働がベースロード電源の確保のためにさらに重要になると考えるのか。見解を示されたい。
右質問する。