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平成二十九年十二月四日提出
質問第七八号

GPS捜査及び携帯電話端末にかかる情報を取得する捜査に関する質問主意書

提出者  階  猛




GPS捜査及び携帯電話端末にかかる情報を取得する捜査に関する質問主意書


 「GPS端末等により位置情報を取得する捜査に関する質問主意書」(平成二十九年十一月七日提出質問第二二号)に対する答弁書(内閣衆質一九五第二二号。以下、「本答弁書」)を踏まえ、GPS捜査及び携帯電話端末にかかる情報を取得する捜査について、以下を質問する。

一 政府は本答弁書の「一の2について」で、捜査対象者の所持品にGPS端末を取り付ける形での捜査(以下、「所持品GPS捜査」とする)の実施に関して、「現在、関係省庁において御指摘の判決の趣旨を踏まえつつ、(中略)捜査の在り方について、必要な検討を行っているところである」としている。この点に関して、以下を明らかにされたい。
 1 捜査対象者の所持品であって、麻薬等の法禁物を内包しないものに関しても、GPS端末を取り付けて捜査を行うことはあるのか。
 2 警察庁は通知(警察庁丁刑企発第十五号、丁支発第二十二号)によって、捜査対象車両に移動追跡装置を取り付けて行う捜査を控えるように指示したものと承知しているが、法禁物を内包しない所持品に対する所持品GPS捜査に関しては、実施を控えるべきとする指示は現段階で特になされていないものと解してよいか。
二 政府は本答弁書の「二の2及び3について」で、「その趣旨が御指摘の「携帯位置情報捜査」に及ぶか否かについては、今後、関係省庁において必要な検討を行うこととしている」とする。
 1 検討の結果が出るまでの間においては、捜査機関は引き続き、総務省作成の「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」(以下、「本ガイドライン」とする)に基づいた「携帯位置情報捜査」を行うことができるものとしていると解してよいか。
 2 「携帯位置情報捜査」にも判決(「平成二十八年(あ)第四四二号 窃盗、建造物侵入、傷害被告事件 平成二十九年三月十五日大法廷判決」)の趣旨が及ぶか否かを検討対象とする以上、携帯電話利用者に対する令状提示や事後通知をすることなく行われた「携帯位置情報捜査」は違法捜査となる可能性もあるのではないか。政府の見解を明らかにされたい。
三 総務省の「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの解説」において、電気通信事業者が保有する位置情報のうち個々の通信に関係する場合は通信の構成要素であり、通信の秘密として保護されるとしている。そこで、電気通信事業者が既に取得し、保管している被疑者の位置情報であって、個々の通信に関係するものを捜査機関が取得しようとする場合において、以下の点にかかる政府の見解を明らかにされたい。
 1 この場合の個々の通信に関係する位置情報は、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百二十二条第一項の準用する同法第百条第一項ないし第二項にいう、「電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するもの」にあたるか。
 2 電気通信事業者が既に取得し、保管している被疑者の位置情報であって、個々の通信に関係するものを捜査機関が取得する処分は、当該電気通信事業者が任意に情報の提供に協力する場合であっても、刑事訴訟法第百九十七条第一項にいう「強制の処分」にあたるか。
四 電気通信事業者が既に取得し、保管している被疑者の位置情報であって、通信の秘密にかからないものを捜査機関が取得する処分は、当該電気通信事業者が任意に情報の提供に協力する場合であっても、刑事訴訟法第百九十七条第一項にいう「強制の処分」にあたるか。政府の見解をお示しいただきたい。
五 本ガイドライン第三十五条第四項に則り、捜査機関が電気通信事業者に要請して携帯電話利用者の位置情報を取得させる処分について、以下の点にかかる政府の見解を明らかにされたい。
 1 当該電気通信事業者が任意に捜査機関に協力する場合であっても、刑事訴訟法第百九十七条第一項にいう「強制の処分」にあたるのか。
 2 本判決は、「個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害する」処分は強制処分にあたるとしているが、本ガイドライン第三十五条第四項に則った位置情報取得が「強制処分」に当たるか否かの判断においては、捜査対象となった携帯電話利用者の意思の制圧の有無は問題となるのか。
六 米国では、「偽装携帯基地局」(真正な携帯基地局と同様の到達性可能通信を発し、周辺の携帯電話端末を捕捉してその識別番号、位置情報、通信内容等を収集するもの)を用いた捜査がなされていることが知られている。この点に関して、以下の点にかかる政府の見解を明らかにされたい。
 1 日本の捜査機関において、このような「偽装携帯基地局」の利用は現在なされているのか。
 2 前項でなされていないとする場合、「偽装携帯基地局」を利用した捜査は現行法上で可能と考えるか。

 右質問する。



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