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令和元年五月十日提出
質問第一六四号

三浦半島におけるイノシシ被害防除対策に関する質問主意書

提出者  早稲田夕季




三浦半島におけるイノシシ被害防除対策に関する質問主意書


 近年、神奈川県下においては、平塚市、大磯町、二宮町から藤沢市、さらには葉山町まで野生イノシシによる農作物被害が広がっている。逗子市内の中学校校門付近でもその姿が目撃されるなど都市部での人的被害も懸念される中、県全体としての人間との共存を目的として、県は鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に基づき「神奈川県イノシシ管理計画」を策定し、各自治体が民間とも連携して被害防除の取り組みを行っていると承知しているが、まだ侵入初期で生息数が少ないとされる三浦半島においては、ここで手綱を緩めることなく今こそ徹底した防除策の確立が急務との観点から、以下質問する。

一 葉山町では、二〇一六年に民間の有志が「葉山わな猟の会」というグループを結成し、町と連携して防除に取り組んでおり、二〇一八年度には八十頭近くも捕獲するという高い成果を上げているが、山間部の約三百か所に設置した罠の見回り作業が、高齢者の多い会員の大きな負担となっており、担い手の確保が大きな課題となっている。しかし今捕獲圧を下げてしまうと、再び生息頭数が上昇に転じるおそれがある。捕獲頭数が減り、捕獲が難しくなってきた今こそ、農林水産省所管の鳥獣被害防止総合対策交付金において、捕獲の有資格者が二十名以上存在する実施隊を有する市町村への人件費補助金の限度額を引き上げるなど、鳥獣被害防止総合対策交付金の弾力的な運用を図るべきではないか。
二 神奈川県においては二〇一八年度、指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画を策定し、環境省から指定管理鳥獣捕獲等事業及び効果的捕獲促進事業の合計三百六十万円の交付金を受けて、有限会社に委託して罠を設置したものの、捕獲頭数は二つの事業を合わせてもわずか一頭であった。将来の人手不足を見据えてのICTを活用した実験的な目的もあったとはいえ、葉山町における民間有志の活動と比べると費用対効果にいささか疑問が残る。二〇一九年度は二十頭を捕獲目標としているとのことだが、三浦半島に定着を許さないという目標の達成に最も大事な時期に差しかかった現在、農林水産省の鳥獣被害防止総合対策と環境省の指定管理鳥獣捕獲等事業について、これまで以上に密接な連携が求められており、より積極的に横断的に情報を共有し、効率的な役割分担を進めていく姿勢が必要ではないか。そもそも三浦半島におけるイノシシの定着を許さないというゴールとそこに至るまでのプロセス、役割分担について、環境省、農林水産省、県及び当該地域の市町、そしてともに活動に取り組む民間有志の間で認識の共有が十分できていると考えているか。神奈川県イノシシ管理計画に対するパブコメであったような、このゴール自体を否定する意見も世間一般には存在する中で、関係者、当事者の間での共通認識の醸成が不十分なまま、ばらばらに活動が行われることのないようにしなければならない。まずは環境省と農林水産省とが密接に連携して、関係者、当事者の今一度の意見交換、情報共有の場が設定されるとともに、地域住民の理解促進が図られるよう、国としてのリーダーシップを発揮するべきではないか。

 右質問する。



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