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令和元年六月十一日提出
質問第二一三号

小笠原諸島における中国漁船宝石サンゴ密漁と海底環境の保全に関する質問主意書

提出者  松原 仁




小笠原諸島における中国漁船宝石サンゴ密漁と海底環境の保全に関する質問主意書


 平成三十一年二月二十七日、衆議院予算委員会第八分科会にて、東京都小笠原村母島東南東沖における宝石サンゴの密漁問題について質問した。
 同会では、時間の都合上小笠原諸島における中国漁船宝石サンゴ密漁による海底環境への悪影響についてまでは、十分質問できなかった。
 宝石サンゴの密漁に関連しては、逮捕された船長が釈放されるにあたり、「担保金の額」及び「担保金の提供を保証する者の氏名又は名称、住所及び違反者との関係」が明らかにされていないという問題が残されている。「担保金の額」が、国民が納得する適正な額であったかどうか、「担保金の提供を保証する者」が担保金を確実に保証すると認められる者であったかどうかについては、国民がそれらの妥当性を検証することができる必要があるはずである。
 また、水産庁が平成二十七年五月二十一日に「平成二十六年度小笠原諸島周辺海域宝石サンゴ緊急対策事業 報告書」(以下「報告書」という)において公表しているように、「中国サンゴ船による違法操業が多数確認された地点を含む」調査で、「宝石サンゴを含むサンゴ類が減少した可能性」や、「中国サンゴ船の違法操業によると思われる残存漁具や宝石サンゴの破損などの被害痕跡が確認され」ている。
 小笠原諸島は、平成二十三年六月二十九日に世界自然遺産として登録され、独特で豊かな自然が残っており、その自然環境はその遺産を保有する日本の法律や制度で守られることが義務づけられている。そうした世界自然遺産において、中国漁船の密漁が活発化している現状は、地球の海洋生態系及び水産資源に対する明確な脅威として見過ごすことができないばかりか、密漁については、我が国の安全保障の点からも、政府が毅然とした姿勢で対処しなければ、小笠原諸島の島民、日本国民のみならず、世界の不安を増大させることになりかねない。
 また、中国は小笠原諸島を構成する沖ノ鳥島を島ではなく、岩であると主張して、沖ノ鳥島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)を認めることなく、公海として、同島周辺海底におけるレアアース泥などに強い関心を有しているとされる。
 そこで、次のとおり質問する。

一 海底環境への悪影響
 1 報告書によると、「発見された残存漁具の大半は漁網片であった」とされている。漁網はプラスチック製が多く、海底に放置しておくと、生態系に大きな影響がある。世界自然遺産として登録されている小笠原諸島の海底環境保護のためにも、海底環境維持のために違法中国漁船が海底残置した漁網片の除去を政府主導で行うことを検討すべきと考えるが、政府の見解を問う。
 2 前項のために要した調査研究及び除去等のための費用を中国政府へ請求するとともに、回収した漁網片を中国へ送り返すべきと考えるが、政府として損害回復及び回収物の処分のために中国政府と交渉に入る用意はあるか。
二 EEZ法違反者の釈放に関して
 同法違反者を釈放した場合、@「本事件の担保金の額及び算出根拠」、A「担保金の提供を保証する者の氏名又は名称、住所及び違反者との関係」、B「担保金を提供する者の氏名又は名称、住所及び違反者との関係」、そして、C「担保金の提出期限」を公表するか。
三 前項において、公表しない場合に、その合理的理由は何か。
四 小笠原諸島周辺海域におけるレアアースの保全について
 レアアースは、電気自動車に不可欠なネオジム磁石の主成分であるネオジムなどを含み、非常に希少価値が高い。今年に入り、中国の海洋調査船「嘉庚」(カコウ)が、沖ノ鳥島の東北東約百六十キロのEEZ内において、ロープを垂らした状態にあったことが発見されている。日本政府としては、このような中国政府はじめ諸外国政府からのEEZ内における探査活動に対して、毅然とした対応を行うべきであるが、日本政府として、具体的にどのような対応を行うか、政府の見解を問う。

 右質問する。



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