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令和元年六月十一日提出質問第二一四号
日本原子力発電株式会社東海第二発電所の原子炉圧力容器に関する質問主意書
日本原子力発電株式会社東海第二発電所の原子炉圧力容器に関する質問主意書
東京電力福島第一原発事故により原発の安全神話は崩れ去った。当該原発事故後に、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)が設置され、事故の検証が行われた。国会事故調の報告書では「七つの提言」がなされ、問題解決に向けて以下のことが記載された。
「本事故の根源的原因は「人災」であるが、この「人災」を特定個人の過ちとして処理してしまう限り、問題の本質の解決策とはならず、失った国民の信頼回復は実現できない。これらの背後にあるのは、自らの行動を正当化し、責任回避を最優先に記録を残さない不透明な組織、制度、さらにはそれらを許容する法的な枠組みであった。また関係者に共通していたのは、およそ原子力を扱う者に許されない無知と慢心であり、世界の潮流を無視し、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセット(思いこみ、常識)であった。」
また、「七つの提言」に基づき、衆議院に原子力問題調査特別委員会が設置された。二〇一八年十二月七日に開かれた委員会で、アドバイザリー・ボード会員の石橋哲参考人が、「事故の再発防止には、透明性の確保と公開性の担保が不可欠であり、かつ有効です。」と発言され、改めて情報公開の重要性が認識された。
日本原子力発電株式会社東海第二発電所は二〇一八年十一月に運転の期間が四十年を迎えた。古い原発はもう動かさないとするいわゆる四十年廃炉ルールに従えば、本原発は廃炉になるはずであった。しかし、事業主である日本原子力発電株式会社から原子力規制委員会に出された運転期間延長の申請が認められ、更に二十年運転されることになった。
ここで、運転延長が認められるためには、古い圧力容器が、延長される二十年間の運転中に壊れることがないかどうか安全性を確認する必要がある。このため、原子炉圧力容器のエコー検査が行われ、その結果が東海第二発電所特別点検(原子炉圧力容器)補足説明資料(平成三十年七月十七日)の別紙一に示されている。以下、この資料について質問する。
二 一と同様に、経済産業大臣はこれらのデータが非開示にされることが適当であると考えているか。
三 原子力規制委員会は要記録エコーの欠陥は進展性の欠陥ではないと断言できるか。
四 No.32のH3#23は要記録エコーの欠陥が検出されている。製造時は「検出されず」となっているが、これは進展性の欠陥ではないと断言できるのか。
五 No.10のN6B#1は今回「検出されず」となっているが、第十三、二十一、二十五回の検査では何らか検出されている(非開示で数値がわからない)。以前検出されたものが今回検出されていない理由は何か。必要な精度で測定できていないのではないか。
右質問する。