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令和元年六月十四日提出質問第二二八号
これまでの政府の政策スタンスと金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」との関係等に関する質問主意書
提出者 山井和則
これまでの政府の政策スタンスと金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」との関係等に関する質問主意書
金融庁は、二〇一九年六月三日に、金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(以下、報告書という。)を公表しました。この報告書について、麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣(以下、麻生大臣という。)は、六月四日の記者会見では、「きちんとしたものを今のうちから考えておかないといけないのですよという話を頭に入れておかれる必要があるのじゃないのか。それの手伝いをする金融機関というものもそれなりの対応や設計をしてやるというようなことを考えるのが、金融庁としての、そういったこともしてやらないと駄目ですよということを言っておいた方がいいというのが基本的な考え方。年金の話は厚生労働省の話であって金融庁の話ではありませんから、年金は年金、今のままできちんといろいろやっておられるのでしょうから、年金は年金で、プラスいろいろなことを考えなければいけないという話です。」と発言されました。一方、六月十一日の記者会見では、この報告書について、「これまでの政府の政策スタンスとも異なっている」と述べ、「正式な報告書として受け取らないと決定をした」と発言しています。
そこで以下の通り、質問します。
二 「正式な報告書として受け取らないと決定をした」とのことですが、この決定により、この報告書の内容の全てを、一切、政策に反映することはありませんか。また、報告書の作成にあたり、貴重な時間を割いて議論に参加した有識者に、六月十一日の記者会見以降、「正式な報告書として受け取らないと決定をした」ことについて、政府から説明や謝罪を行いましたか。
三 麻生大臣は、この報告書が取りまとめられたことを踏まえ、六月四日の記者会見で、「金融庁としての、そういったこともしてやらないと駄目ですよということを言っておいた方がいいというのが基本的な考え方」と発言していますが、この「基本的な考え方」の内容を説明して下さい。
四 六月四日の記者会見で麻生大臣が言及した「基本的な考え方」は、この報告書の内容と異なっていますか。異なっているのであれば、どの部分が異なっているのか示して下さい。
五 六月四日の記者会見での麻生大臣の発言は、この報告書の内容に理解を示し、金融庁が取りまとめた報告書として認識していると考えられますが、六月十一日の記者会見では、「正式な報告書として受け取らないと決定した」と発言しており、矛盾することになります。この報告書に対する認識は、いつ変わったのですか。また、認識を変えた理由は、六月四日には、「金融庁の考え方」を誤解していたからですか、それともこの報告書の内容を誤解していたからですか。もしくは、世論の反応を踏まえ、認識を変えたのですか。
右質問する。