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令和元年十月十六日提出
質問第三五号

在職老齢年金制度の基準額の引上げあるいは廃止による年金生活者の格差拡大の影響等に関する質問主意書

提出者  山井和則




在職老齢年金制度の基準額の引上げあるいは廃止による年金生活者の格差拡大の影響等に関する質問主意書


 政府は、二〇一九年八月に公表された将来の公的年金の財政見通し(以下、財政検証という。)のオプション試算の中で、在職老齢年金制度の基準額の引上げについて取り上げるとともに、社会保障審議会年金部会でも議論しています。
 そこで以下の通り、質問します。

一 財政検証のオプション試算で示された在職老齢年金制度の基準額の六十二万円への引上げによる年金受給額の減額は、いつから始まり、いつまで続きますか。
二 在職老齢年金制度の基準額の引上げや廃止により、年金受給額が減額されるのは、既裁定者ですか、新規裁定者ですか。それとも既裁定者、新規裁定者の両方の年金受給額が減額されますか。
三 在職老齢年金制度の基準額の引上げや廃止により、年金受給額が減額されるのは、今の年金生活者、つまり高齢者ですか、それとも将来の年金生活者、つまり、今の若者や中年世代ですか。それとも、今の年金生活者も将来の年金生活者も両方の年金受給額が減額されますか。
四 在職老齢年金制度の基準額の六十二万円への引上げおよび在職老齢年金制度の廃止による年金受給額の増額について、機械的に計算すれば、年金受給額が増額する人の十年間の収入状況が同じであった場合、その十年間で総額いくら年金受給額が増えますか。試算している場合には、引上げと廃止の場合でそれぞれ示して下さい。その金額を踏まえ、高収入の年金受給者の年金が大幅に増えることについての政府の見解を示して下さい。
五 年齢が七十歳で厚生年金受給額が月額二十万円、賃金収入が月額平均五十万円で、在職老齢年金制度の適用を受けない場合の基礎年金を除いた月額の収入の合計が七十万円の年金受給者について、現在の在職老齢年金制度の適用を受けることで厚生年金受給額がいくら減額され、月額の収入はいくらになりますか。また、同条件で在職老齢年金制度の基準額が六十二万円に引き上げられた場合には、厚生年金受給額がいくら減額され、月額の収入はいくらになりますか。試算している場合はそれぞれ示して下さい。
六 年齢が七十歳で厚生年金受給額(基礎年金部分を除く)が月額二十万円で賃金収入の月額が六十万円の年金受給権者は、現在は月額いくらの厚生年金を受給していますか。また、在職老齢年金制度の基準額が六十二万円に引き上げられた場合、月額いくらの厚生年金を受給しますか。その結果を示した上で、後の結果も踏まえ、在職老齢年金制度の基準額の引上げは高収入の年金受給者に大きな利益をもたらすことについて、政府の見解を示して下さい。
七 このような在職老齢年金制度の基準額の引上げや廃止の検討を政府が最初に検討したのは、いつのどのような会議ですか。また、その会議で最初に在職老齢年金制度の基準額の引上げや廃止について発言したのは、誰で、どのような発言でしたか。
八 在職老齢年金制度の基準額の引上げや廃止の検討が最初に始まったのは、経済財政諮問会議ですか、あるいは社会保障審議会年金部会ですか。もし年金部会でないなら、なぜ、在職老齢年金制度についてのこのような大きな改正の検討が、年金部会から始まらずに、他の会議体で始まったのですか。
九 社会保障審議会年金部会で、最初に在職老齢年金制度の基準額の引上げや廃止が議論されたのはいつですか。
十 今後、全世代型社会保障検討会議で、在職老齢年金制度の見直しを議論しますか。また、年末の全世代型社会保障検討会議の議論の中間まとめに、在職老齢年金制度の見直しが入る可能性はありますか。
十一 次回の全世代型社会保障検討会議はいつ開催されますか。開催のスケジュールは、誰が、いつ決定しますか。
十二 年末の全世代型社会保障検討会議の議論の中間まとめを行うまでに、全世代型社会保障検討会議は何回、開催する必要があると考えていますか。
十三 全世代型社会保障検討会議で、在職老齢年金制度を議論するか否かは、いつどこで誰が決めますか。委員個人が判断し、発言したい委員が自由に会議で発言するのか。
十四 在職老齢年金制度の基準額の引上げや廃止により、年金受給額が増えるのは、ごく一部の高所得者である、という理解で正しいですか。また、在職老齢年金制度の基準額の引上げや廃止により、一部の高所得者以外の圧倒的多数の低中所得者の年金が減るという理解で正しいですか。
十五 一部の高所得者の年金を増やす財源を確保するために、圧倒的多数の低中所得者の年金を減らす改正は、間違っており、国民の理解は得られないと考えますが、政府の見解を示して下さい。
十六 低年金者の支援こそが重要であるため、逆に、高所得者や高年金受給者の年金を少し減らし、低年金者の年金を増やす制度改正こそが必要ではありませんか。政府の見解を示して下さい。

 右質問する。

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