衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和元年十二月四日提出
質問第一六六号

「桜を見る会」の招待者名簿等廃棄問題に関する質問主意書

提出者  宮本 徹




「桜を見る会」の招待者名簿等廃棄問題に関する質問主意書


 私は二〇一九年五月九日の正午過ぎに内閣府に対して、「桜を見る会」の参加者の選考基準並びに参加者が増えた詳細かつ具体的な理由に関する資料要求を行った。
 ところが政府は、参加者が増えた詳細な理由を説明できる招待者名簿並びに各省庁等での選考基準を示す「推薦依頼文書」等を、私が資料要求した時刻の一時間余り後に、シュレッダーで廃棄したと説明している。また電子媒体も、同時期に廃棄したと説明している。
 甚大な消費者被害を出したジャパンライフの山口隆祥会長の「受付表」に記されていた「桜を見る会」の「招待者区分60」がいかなる招待区分なのか、安倍首相は「現時点でこれらに関する情報は保有していない」と十二月二日の参議院本会議で答弁する等、「桜を見る会」をめぐっては「資料を破棄したから判らない」などと、説明を事実上拒否することが繰り返されている。
 招待者名簿や推薦依頼の文書、招待区分を記した文書等は、常識的に考えて、次年度の準備に必要な文書であり廃棄することはあり得ないと、私は考える。税金を使う「内閣の公的行事」である「桜を見る会」を、安倍晋三後援会の活動への利用や昭恵総理夫人が大規模に友人と知人を招待した、いわゆる「私物化」の実態、並びにジャパンライフの山口隆祥会長など社会的に問題のある人物を誰が招待していたか等について、説明を回避するための「隠蔽」というしかない。説明を回避し、「桜を見る会」の不都合な真実を隠すために、こうした「隠蔽」、「廃棄」がまかり通るならば、民主主義の危機と言わなければならない。
 安倍首相は、「遅滞なく廃棄する取扱い」と、十二月二日の参議院本会議で説明するが、廃棄をめぐる政府の説明は矛盾に満ちている。 しかも、招待者名簿等の資料の廃棄は、いわゆる「廃棄簿」等への記載も無く、その日時等を示す一切の記録が示されていない。加えて、本当に廃棄したか否かも判らない。
 そこで以下、質問する。

一 政府提出資料によると、招待区分は例えば国会議員が「10」等、毎年、基本的に同様の区分番号が使われている。資料を廃棄しているのに、何を元にして同様の招待区分を行い、かつ同様の区分番号等を使用することができるのか。合理的な説明をされたい。
二 内閣府の各省庁並びに与党等に対する「推薦依頼の文書」には、「桜を見る会」の招待にあたりどういう人を呼ぶのか、各界功労者は何人の枠かが、詳細に記されている。しかも省庁についていえば、各省庁への推薦依頼は毎年同規模である。内閣府は、昨年も同時期に推薦依頼の文書をシュレッダーにかけ、これらの文書を廃棄したと説明している。
 しかし、昨年の「推薦依頼の文書」も無く、推薦の実績人数も判らない下で、何を元にして例年とほぼ同じ推薦依頼文書を作成し、昨年と同じ程度の人数の推薦依頼を省庁宛てに出すことができるのか。合理的な説明をされたい。
三 「桜を見る会」については、「連続して毎年同じ方が呼ばれるようなことは避けて欲しいとお願いしている」と、政府は十一月二十日の衆議院内閣委員会で答弁している。ならば、同じ方が呼ばれているか否かのチェックのためには、前年の招待者名簿が不可欠であると、私は考える。
 今年の「桜を見る会」は、同じ方が呼ばれているか否かに関して、政府はいかなるチェックを行ったのか。省庁枠、総理枠、自民党枠の各々について明らかにされたい。
四 二〇一八年四月一日より前は、「桜を見る会」の招待者名簿は一年保存文書であると、政府はその都度説明している。
 いわゆる「廃棄簿」には、二〇一三年から二〇一七年の「桜を見る会」招待者名簿を廃棄した年月日はいつと記載されているのか。そして、推薦依頼の文書を廃棄した年月日も明らかにされたい。また、招待者名簿と推薦依頼文書は、紙媒体として保存してきたのか、又は電子媒体として保存してきたのか、あるいは紙と電子媒体の両方なのか。保存の形態も明らかにされたい。
五 安倍首相は、招待者名簿は「遅滞なく廃棄する」(同参議院本会議)と答弁をしている。内閣府の内部で、四月二十二日のシュレッダー予約の時点で、五月九日にシュレッダーにかける予定の文書の具体的内容を明らかにされたい。
 また、予約をとるにあたっての指示文書並びにメール等を明らかにされたい。さらに、「桜を見る会」の当日に、会場の参加者のチェックに使用した招待者名簿の写しにとどまらず、行政文書である招待者名簿(原本)、推薦依頼文書、並びに「招待者区分60」の意味が記された文書等を、五月九日にシュレッダーにかける予定であることを示す文書並びにメール等の証拠は有るか。仮に有るならば、示されたい。
六 政府は「例年、この時期にシュレッダーにかけている」と説明をしてきた。
 しかし、政府の公文書の保存期間の説明によると、二〇一八年四月一日以前は、招待者名簿等は一年保存期間の文書となっている。つまり、二〇一八年三月三十一日以前の「桜を見る会」の招待者名簿(行政文書)は、「この時期に」シュレッダーにかけていることはありえないことになる。
 そこで、一昨年を含む例年のこの時期に、内閣府大臣官房人事課がシュレッダーにかけている文書の具体的内容を明らかにされたい。その際、行政文書としての招待者名簿と、「桜を見る会」の当日に会場での参加者のチェックに使用した招待者名簿の写しとを区別して、明らかにされたい。
七 内閣府内部における四月二十二日のシュレッダー予約メールの公表により、招待者名簿原本等の行政文書の廃棄を目的とする予約ならば、その指示が四月二十二日にはあったことになる。当然、電子媒体の招待者名簿原本等の取扱いに関する諸指示も同時に行われていると、私は考える。
 安倍首相は「個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する等の必要性が生じる」から「遅滞なく廃棄する」と、同参議院本会議で説明しながら、なぜ、電子媒体についての廃棄が四月二十二日ではなく、五月九日頃(十二月二日以降の政府による新たな説明では五月七日〜九日)となるのか、詳細に説明されたい。併せて、電子媒体の招待者名簿、推薦依頼文書、並びに「招待区分60」を記した文書の廃棄を、いつ、誰が誰に対して、いかなる手段で指示を行ったのか、詳細に明らかにされたい。
八 政府は、電子媒体の招待者名簿等の廃棄の日について、シュレッダーにかけた同じ五月九日前後と説明してきた。にもかかわらず、十二月二日の「桜を見る会」野党合同追及本部ヒアリングの場において、内閣府の説明者が「つめて記憶を確認した結果」であるとして突然、私の資料要求を総務課が人事課に伝えたのは五月十日だという新たな説明を行い、同時に電子媒体の廃棄も五月七日〜九日という新たな説明もした。
 しかし、国会答弁にあたり確認した従前の記憶が、再び変わるということに対して、私は極めて重大な疑念を感じる。だいたい、毎年使っている「招待区分60」については記憶が呼び覚まされていないのに、他方では、電子媒体廃棄に係るパソコン操作の日付に関する記憶については、後から、新たな記憶が出てくるというのも不自然極まりないと、指摘しておく。
 電子媒体の招待者名簿等の廃棄の日付について、バックアップを含むサーバにログ等の何らかの記録が存在するのではないか。記録を示して詳細に説明されたい。
九 「桜を見る会」の招待者名簿については、二〇一八年四月一日以降に「桜を見る会の終了をもって使用目的を終えること」、「個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する必要性」を理由に、「保存期間一年未満文書とし」たとの、安倍首相の答弁(同参議院本会議)がなされている。
 しかし、二〇一八年四月一日以前は、個人情報を膨大に含む文書を三年保存、又は一年保存としており、政府の説明は文書保存期間の変更に関する合理的な説明にならない。
 功績並びに功労と関係なく、後援会員や総理夫人の関係者の招待者が著しく増大したことを隠蔽する目的で、いつでも廃棄できる保存期間一年未満文書としたのではないか。仮に否定する場合は、否定する根拠並びに合理的理由を詳細に説明されたい。
十 「桜を見る会」の推薦依頼文書、並びに「招待者区分60」の意味を記した諸文書の廃棄は、「桜を見る会」の終了をもって使用目的を終えること」、「個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する必要が生じる」では、全く説明にならない。
 「桜を見る会」の推薦依頼文書、並びに「招待者区分60」の意味を記した諸文書等の廃棄に合理的な理由は無いではないか。真相は、隠蔽のための廃棄ではないのか。詳細な説明を求める。
十一 私は五月九日に資料要求を行い、五月九日中に回答を求めたにも関わらず、政府によれば、「資料要求を受けた(内閣府)総務課が、人事課へ資料要求の内容を伝えたのは五月十日だ」と説明している。政府は、私の資料要求について、「(内閣府)総務課が応えられる範囲のものと判断したので、直ちに人事課に伝えなかった」等と説明している。
 しかし、私が要求する「選考基準」が記された「推薦依頼文書」は、内閣府総務課が保有しておらず、加えて「なぜ参加者が増えたのか」の詳細な理由を説明できる招待者名簿等も同総務課は保有していない。
 政府は、私の資料要求に対して五月九日に何ら回答しないばかりか、参加者が増えた理由に関する五月二十一日の衆院財務金融員会での私の質問に対し、政府は「廃棄したから判らない」旨の答弁をした。「総務課が応えられる範囲のものだと判断し、人事課に伝えなかった」という政府の説明は、虚偽ではないのか。
十二 廃棄するはずがない諸文書を「廃棄した」とし、「廃棄したので判らない」と、政府が答弁を繰り返している現状を見ると、先に「廃棄したから判らない」なる政府の答弁ラインが有り、次にこの答弁ラインに沿うべく、諸文書を廃棄した「ストーリー」を作りあげている疑念を、私は持つ。
 政府が「廃棄したから判らない」等の趣旨の答弁を初めて行うのは、五月二十一日の財務金融委員会での私への答弁である。加えて五月二十一日までに廃棄した日として、説明できる候補として挙がったのが、内閣府人事課がシュレッダー使用を予約していた五月九日であることから、五月九日にシュレッダーで廃棄したという説明をしているのではないのか。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.