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令和二年一月二十九日提出
質問第二五号

被爆建物「旧広島陸軍被服支廠」の保存に関する質問主意書

提出者  初鹿明博




被爆建物「旧広島陸軍被服支廠」の保存に関する質問主意書


 原爆の惨状を伝える代表的な被爆建物のひとつであり、広島市の被爆建物台帳に「旧日本通運出汐倉庫一―四号棟」として登録されている「旧広島陸軍被服支廠」について、広島県は十二月四日、築百年以上が経ち維持管理のための財源確保が難しいことなどを理由に、県が所有する三棟のうち一棟のみを保存し、二棟を解体する方針案を明らかにしました。
 「旧広島陸軍被服支廠」は戦時中においては兵員の軍服や軍靴などを製造しておりましたが、戦後、建物は様々なものに転用された後、平成九年以降は四棟とも完全に使用されない状態となり、一棟は国の所有、残り三棟は広島県の所有となったものです。戦後七十四年が経ち被爆体験者が減少する中、原爆の惨状を後世に伝える被爆建物を保存していくことは国としても重要なことであると考えます。
 また、この建物は、かつての軍需施設の遺構としては国内屈指の存在であり、国内最古級のRC(鉄筋コンクリート)造りで、レンガとRCの併用という大変珍しい構造を持っています。たとえ被爆していなかったとしても、建築物としての歴史的価値も高く、保存し次世代に受け継ぐべき建物なのです。
 このような価値ある建物を県の財政難を理由に解体することは国として大きな損失であると考えます。
 一月二十三日、衆議院本会議における代表質問において与党の議員からもこの貴重な被爆遺構の保存について自治体任せにするのではなく国がリーダーシップを発揮するように求められました。この質問に対して安倍総理は「広島県が所有する旧陸軍被服支廠の取扱いについては、現在、広島県において検討が行われていると承知しており、広島県における議論を踏まえ、国としてもしっかりと対応してまいります。」と答えるにとどまりました。
 この答弁を踏まえて、以下質問します。

一 広島県が所有する「旧広島陸軍被服支廠」については、保存し、次世代に受け継いでいく価値ある遺構であると考えますが、国としてどのような評価をしているのか所見を伺います。
二 既に広島県は財源の確保が難しいとの理由で一棟のみ保存し、二棟は解体する方針案を明らかにしています。県が所有する三棟全てを保存するためには財源の確保が必要となるため、県の検討結果を待つのではなく、国が率先して保存するための財政支援策を提示する必要があると考えますが、政府の見解を伺います。
三 唯一の被爆国として核軍縮を進展させていくことを国際的にアピールすることを考えると県が解体を検討している二棟については国が所有権を取得して保存することも検討すべきだと考えますが、所見を伺います。

 右質問する。

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