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令和二年一月三十一日提出
質問第三一号

政府が目指す5G実現に向けた取組みに関する質問主意書

提出者  丸山穂高




政府が目指す5G実現に向けた取組みに関する質問主意書


 総務省は、次世代通信規格「5G」に関連したインフラ輸出の支援策を強化する方針を固めており、また国内においては、今春から始まるサービスに向け体制整備を急いでいる。これらの取組みに関し、以下質問する。

一 日本は韓国や米国、中国といった主要国に比べ、5Gサービスのインフラ整備で出遅れている。基地局を含む5G関連機器の出荷台数では、現時点では日本勢の存在感は薄いと言わざるを得ない。
 海外の需要の掘り起こしにあたり、輸出先の国や企業の開拓に向けた情報の収集、分析の強化をどのように計画しているのか。また、アフリカなど日本企業の手薄な地域への売り込みについてはどのような手法を用い、どのような体制・人員を充てて対策を行っていくのか。具体的に回答されたい。
二 日本が海外展開で出遅れた要因として、これまでの国の企業支援が他国と比べ弱いという議論がある。
 中国や韓国では政府の支援により巨額の投資を行っており、特に韓国では、5Gを管轄する科学技術情報通信部は昨年の研究開発予算が初めて二十兆ウォン(約一兆九千六百億円)を超えたとの報道もある。
 これまで、政府は5Gに関する海外展開戦略をどのように描いてきたのか。また、現時点での日本企業の海外シェアの低さをどのように評価・分析しているのか。詳細に回答されたい。
三 5Gでの巻き返しが難しい中、5Gに続く新たな次世代通信規格6Gに向けた取組みが始まっており、NTTドコモは、令和十二年頃のサービス提供開始をめざし、第六世代移動通信システム「6G」に関するホワイトペーパーを本年に入り公開した。
 政府は、我が国が5Gの技術開発や商用化で出遅れたため、その挽回を図るために6Gに対する技術開発を進めていこうとしているとの報道もあるが、政府の6Gに対する位置づけについて確認をしたい。今後、どのような戦略を描こうとしているのか。詳細に回答されたい。
四 国内における一般ユーザーの5G利用の促進についてはハードルがあると考える。既に4Gの高速のネットワークがある程度普及した状況下で、消費者が5Gの価値をどの程度実感できるかは不透明であり、また5Gに対応した端末は高価となることが予想され、低コスト化の課題がある。
 現時点では4Gで十分と認識されてしまい、5Gを利用するインセンティブは働きにくいと考えられるが、政府としてどのように説明をされるのか。回答されたい。
五 国内の通信事業者の設備投資負荷についてもハードルがあると考える。5Gは高い周波数帯を使うことから、一つの基地局のカバーするエリアが小さくなるため、多くの基地局が必要となる。5G特定基地局の開発計画に係る認定申請について大手四社から申請があり、特定基地局等の設備投資額は各社千億円単位での金額を予定している。最終的には一般ユーザーの負担となるのであろうが、通信事業者としても投資負担は多大なものとなる。
 政府が予定する国内の5G展開を円滑に進めるために、今後これら通信事業者のインフラ設備に対する支援も検討するのか。検討する場合、具体的にその内容を回答されたい。
六 政府は、5Gにおけるサイバーセキュリティについて、昨年八月に「IoT・5Gセキュリティ総合対策」を公表している。この中で、5Gは、ネットワーク機能の仮想化など、従来のネットワークとは構造等の点において異なる特徴を有することなどを踏まえたネットワークのセキュリティ確保の在り方について検討する必要があるとしている。また、5Gのサービス開始により、従来に比べて産業用途でのIoT機器の設置・運用が今後も増加していくことが想定されるため、IoT機器のセキュリティの確保(脆弱性対策を含む)の重要性が今後さらに高まっていくことが想定されるとしている。
 政府はこのセキュリティ総合対策に沿って、具体的にどのようなセキュリティ対策を実施しようとしているのか、回答されたい。
七 5Gで使用される基地局等の機器については、国産のシェアが非常に低く、外国製の機器が多数導入される可能性がある。
 このような状況において、外国製の機器を導入することによる情報の漏えい及び機器の停止による通信事故等の懸念に対し、これを防ぐためどのような対策を講じようとしているのか、具体的に回答されたい。
八 5Gで用いる電波の安全性が十分確認できていないとして、今春からの5Gのサービス中止を求める市民団体もある。
 政府は、十分な科学的根拠をもって5Gの電波の安全性を主張するべきと考える。政府では、電波利用料を財源として電波の安全性に関する研究を長年行ってきているが、5Gの基地局は多数設置する必要があること、また、使用する周波数が従来に比べて高い特性であることによる健康への影響についてどのように考えているのか、さらに、電波の安全性の研究結果を国民に広くかつ分かりやすく周知する必要があると考えるが、見解について回答されたい。

 右質問する。

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