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令和二年二月四日提出
質問第三四号

制定当時は想定していなかった同性婚と憲法との関係に関する質問主意書

提出者  初鹿明博




制定当時は想定していなかった同性婚と憲法との関係に関する質問主意書


 一月三十日参議院予算委員会での石川大我議員への答弁で安倍総理は同性婚と憲法との関係について「現行憲法の下では同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されていない」と従来どおりの説明に終始しました。
 同性婚と憲法の関係については、憲法第二十四条第一項に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」とあることで、「両性」とは「男性」と「女性」の両方の性を指しており、男性同士、女性同士については婚姻を認めていないという見解と、「両性の合意」とは、家父長制の下で婚姻を親や家に決められてきたことを否定するために設けられていて、「当事者間の合意」を指すものであり、同性間での婚姻を否定しているものではないという見解があります。
 また、憲法第十四条第一項で「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と定めていますが、異性カップルのみに認め、同性カップルには認めないという法律上の婚姻制度は、この規定に抵触しているという見解や、憲法第十三条の幸福追求権により、誰と婚姻するか家族を形成するかの自己決定権が保障されているということから、第二十四条第一項の規定がどうであれ、憲法全体の理念として、同性婚を排除していないという見解もあります。
 現行憲法の制定時に想定していなかったとしても、現状、多くの国で同性婚が認められるようになり、国内でも同性婚を可能とする法整備を求める声が強くなっている状況を鑑みると、制定当時想定していなかったから知らないという態度をとり続けるのではなく、同性婚を想定した上で憲法との関係について整理し、政府としての見解を明確にすることが政府の責任だと感じます。
 集団的自衛権の行使について憲法解釈を閣議決定で見直すことを実行したのですから、同性同士の婚姻という憲法制定当時は想定していなかった事態についても同様に現在の状況に見合うよう同性婚と現行憲法との関係について明確にすべきです。
 以下、政府の見解を伺います。

一 憲法第二十四条第一項における「両性の合意」とは親や家によって婚姻相手を決められていた戦前の家父長制を廃し、婚姻をする当事者同士の合意のみで婚姻を決めることができると明確にするために設けられた規定であり、「男性」「女性」の両方の性を意識しておらず、あくまでも「当事者間の合意」という意味で規定されたものであるという見解について、政府の所見を伺います。
二 法律上の婚姻制度において同性婚を認めないことは、憲法第十四条第一項で定める法の下の平等に反し、差別に当たるという見解について、政府の所見を伺います。
三 同性婚を認めないことは、憲法第十三条で定める幸福追求権に反しているという見解について、政府の所見を伺います。
四 上述の論点について、憲法制定時には同性婚を想定していなかったために政府としての見解を持ち合わせていないのなら、改めて、同性婚と憲法の関係について整理し、政府としての見解を明らかにする必要があると考えますが、所見を伺います。

 右質問する。

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