衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和二年二月十日提出
質問第五五号

ギガスクール構想の実現に向けてのコンテンツ充実に関する質問主意書

提出者  櫻井 周




ギガスクール構想の実現に向けてのコンテンツ充実に関する質問主意書


 今年度補正予算において、小学校および中学校のICT(情報通信技術)整備などを推進するためのギガスクール構想の事業予算が盛り込まれた。そして、その目指すところとして、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させるとしている。
 しかし、補正予算の内容を見ると、一人一台パーソナル・コンピューター端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するハード面が大半を占めており、コンテンツ調達などソフト面についての予算がほとんど確保されていない。これでは、一人一台パーソナル・コンピューター端末と高速大容量の通信ネットワークが宝の持ち腐れとなりかねない。そこで、以下質問する。

一 デジタル教科書については、小学校では二千二十年度に、中学校では二千二十一年度に導入拡大することとなっているが、デジタル教科書をパーソナル・コンピューター端末で閲覧可能とするだけでは、従来の紙ベースの学習とほとんど変わらず、紙ベースの教科書の方がデジタル教科書よりも安価である分だけ費用対効果が高いこととなり、一人一台パーソナル・コンピューター端末と高速大容量の通信ネットワークを整備する意味は小さい。一方で、タブレット端末などICT機器を利用した講義の動画や演習教材などのコンテンツは、既に民間業者によって多く作製され、家庭学習において利用されている。これら家庭学習で既に利用されているコンテンツを購入し、学校現場で利活用することで速やかに効果的なICTの利活用が実現できると考えるが政府の見解如何。
二 一人一台パーソナル・コンピューター端末と高速大容量の通信ネットワークの意義の一つは、基礎学力についてパーソナル・コンピューター端末による個別学習に移行することができることにある。すなわち、従来の授業スタイルでは、平均的な学力層をターゲットとして進めざるを得ず、落ちこぼれと吹きこぼれの問題が生じていた。個別学習を実現することで、全ての児童生徒が自らの習熟速度に合わせて効率的に学習を進められるようになる。そして、基礎学力の習得の効率化によって捻出した児童生徒の学習時間と教員の余力を、社会問題への取組みを児童生徒が協同して考えるなど応用的学習に充てられる。しかし、応用的学習はこれまで学校現場において十分には行われておらず、この部分での授業の進め方の開発が急務であると考えるが政府の見解如何。
三 学校ICT環境整備とその利活用によって、教員の役割が大きく変わると考えられる。すなわち、これまでは教員から児童生徒へ知識を提供するという関係であったのが、今後は児童生徒は知識をパーソナル・コンピューター端末から受けることとなる。したがって、教員には児童生徒から相談を受ける役割が大きくなる。このような教員と児童生徒の関係の大きな変化について、教員の意識改革が急務と考えるが政府の見解如何。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.