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令和二年五月二十九日提出
質問第二一八号

旧ソ連抑留死没者遺骨問題に関する質問主意書

提出者  長妻 昭




旧ソ連抑留死没者遺骨問題に関する質問主意書


 民主党政権下で戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法(いわゆるシベリア特措法)が成立して今年六月でちょうど、十年となる。未だ残された問題も多く、政府は真剣に取り組んでほしい。
 昨年七月以降、シベリアで収集された遺骨に日本人以外の遺骨が多数含まれていて、以前からその事実が専門家によって指摘されていながら、公表もされず、対処もされていなかった問題が明らかになった。公表も対応も遅く、とんでもないことである。
 やっと厚生労働省による改善案も発表されたが、新型コロナウイルスの影響で、国境を越えた移動は困難になり、事業執行は難しいと予想される。
 戦後七十五年を迎え、遺族や抑留体験者の高齢化が進み、事態を深く憂慮しているところである。
 以下質問する。

一 日本人のものではないと認定された遺骨を政府は、どのようにして返還するのか。ロシア側との合意はできているのか。間違って収集された遺骨の海外持ち出しは、ロシアの国内法規に抵触しないのか。
二 昨年五月及び六月に厚生労働省調査班に加わって埋葬地を調査した抑留体験者は、日本人埋葬地の上に後からロシア人ら地元民の墓地が造成された可能性を指摘している。今回の遺骨取り違いの原因として、ロシア現地での混葬(日本人埋葬区画内や近隣にロシア人ら現地人の埋葬を行ってきた)が進んできていることがあげられる。こうしたケースは、旧ソ連国内の日本人埋葬地の保全を約束した「捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定」に違反している可能性が高いが、日本政府はロシア側にそうした問題を提起し、改善を求めたことはあるか。
三 厚生労働省調査班に加わって埋葬地を調査した抑留体験者は、調査・試掘現場における探知・発掘のための器材・重機の不足を指摘し、改善を訴えているが、今年五月二十一日に発表された「戦没者遺骨収集事業及び事業実施体制の抜本的な見直しについて」にはその点についての言及がない。探知・発掘のための器材・重機の投入、拡充についてはどのような計画があるか。
四 当面、新型コロナウイルスによる渡航制限のため、日本から出かけて調査、発掘することが難しくなっている。ロシア側において調査を継続し、発掘も委託することを検討すべきと考えるが、いかがか。そもそも日本人捕虜らを連行し、抑留・使役したのはソ連軍であり、埋葬場所などについての詳細な記録もソ連軍によって作成され、保存されてきた。厚生労働省は昨年米軍と遺骨収集に関わる協力を目的とした覚書を締結しているが、ロシア軍とも同様に覚書を締結して日本人捕虜らの埋葬に責任を負い、情報を集積しているロシア軍の積極的な協力を得るよう努めるべきであると考えるが、いかがか。

 右質問する。

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