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令和二年六月十一日提出
質問第二五三号

日本国内におけるコロナウイルス感染者の国籍に関する質問主意書

提出者  松原 仁




日本国内におけるコロナウイルス感染者の国籍に関する質問主意書


 新型コロナウイルス感染症拡大の抑制・防止策に対する国民の関心は極めて高く、諸外国の対策とわが国の感染症対策を比較する研究も行われる必要がある。これまでに公表されている様々な統計によれば、わが国を含め東アジア諸国はその他の地域に比べ感染者数が少ない傾向にあるようである。そうした差は、地域ごとに流行しているウイルスの型自体に相違があるのか、あるいは水際対策や外出自粛、公衆衛生へのきめ細かな取組、生活習慣によるのか、または国民的な予防接種の取組や先天的・遺伝的な要素など現在流行している新型コロナウイルスの発生前に生じたファクターに関係するのか。こうした観点からの研究が進展するためにも、わが国における感染者の統計データ収集と公開への取組が重要である。特に感染者の国籍や人種に関するデータは後者の要素を分析するのに不可欠なデータであり、差別や偏見を助長しないよう一定の配慮は必要であるが、統計データの公開が求められる。
 厚生労働省発表の感染者に占める「日本国籍」「外国籍」「国籍確認中」との区分について

一 「外国籍」に区分されるものの国籍別、または白人・黒人・アジア系などの人種別のデータを持ち合わせているか。またそうしたデータを公開しているか。していない場合、どのような理由によるものか。
二 「国籍確認中」の区分にはどのような患者があてはまるか。受診時に健康保険証や身分証明書を所持していなかったなど偶発的な理由によるものか。
三 「国籍確認中」の区分から「日本国籍」「外国籍」の区分に変更されたケースの件数をそれぞれお示しいただきたい。
四 「国籍確認中」の区分のデータについて、国籍が未確認のまま統計上の処理が終了する場合はあるか。ある場合、確認が叶わなかった理由として代表的なケースをお示しいただきたい。
五 現在、進められている治療薬やワクチンの研究開発等にあたり、感染者の国籍や人種などを含む各種統計データの蓄積は、世界に先駆けた薬品開発の成否にも強く関連し、国民の健康に資する貴重な財産であるとともに、わが国にとって大きな国益を生むポテンシャルをも内包する。これらの統計データを積極的に拡充し、戦略的に活用していくべきと考えるが、政府の見解は如何。

 右質問する。

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