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令和二年十一月二十六日提出質問第三八号
コロナ禍に伴う羽田空港発着の航空需要の減少に関する質問主意書
提出者 松原 仁
コロナ禍に伴う羽田空港発着の航空需要の減少に関する質問主意書
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各国の国境封鎖や旅客の渡航自粛により世界全体の航空需要が大きく低下している。
こうした中、羽田空港において新たな飛行ルートが本年三月より運用開始となり、十五時から十九時までのうちの三時間については首都圏上空の都心低空飛行が行われている。この都心低空飛行ルートにおいては、航路下に国内では他に類を見ないほど多くの住民と労働者が暮らし、騒音や電波障害に関する苦情、落下物や不動産価値下落への不安を訴える多くの声が上げられている。
新飛行ルートの導入にあたり、政府はインバウンド(訪日旅行)の増加見込みを前提とした羽田空港の増便計画を理由として説明してきた。しかし現下のコロナ禍を鑑みると、インバウンドの増加とそれに伴う航空需要は、政府が当初見込んできた数値を少なくとも今後数年間は満たさないことが想定され、羽田空港では都心低空飛行ルートを使用せず旧来ルートを利用しての運用が可能ではないかとも考えられる。
他方、国内では「Go To トラベル」キャンペーンの実施により北海道や沖縄旅行が人気となり、また国際的なビジネス旅客の隔離免除による受け入れが始まるなど、徐々に航空機の利用が回復する兆しも見られる。そこで今後の羽田空港の航空需要見通し等について政府の把握するところを答えられたい。
一 現在の羽田空港の航空需要について
1 本年八月、九月、十月に羽田空港を発着した飛行機の総便数とその前年同月比について、各月ごとにお示しいただきたい。
2 1でお答えいただいた各月の総便数は、増便計画に伴う新飛行ルートの採用で利用可能となった羽田空港の月ごとの最大便数の枠に対して何パーセントの利用となっているか。
二 都心低空飛行ルートの利用状況について
1 本年八月から十月の各日において、十五時から十九時までの間の三時間に都心低空飛行ルートを利用した航空機の便数が最も多かった日とその便数をお示しいただきたい。
2 1でお答えいただいた便数は、都心低空飛行ルートの採用により十五時から十九時の間の連続する三時間に利用可能となった最大便数に対して何パーセントの利用となっているか。
三 今後の航空需要の見通しについて
1 羽田空港の将来の航空需要に関してどのような予測や見通しを持っているか。来年一年間の短期的な予測から、五年間、十年間など中長期的な見通しまで、将来的な航空需要の変化について、政府の現時点での見解を伺いたい。
2 1に関連して、航空需要の観点から、羽田空港の運用を今年三月まで採用されていた旧来ルートに変更することは可能か。短期的な変更、中長期的な変更のそれぞれについて、変更の可否とその理由をお答えいただきたい。
右質問する。