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令和二年十一月二十七日提出
質問第四六号

自転車ナンバープレート制度創設等に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




自転車ナンバープレート制度創設等に関する質問主意書


 自転車は、二酸化炭素等を発生させず環境負荷が少ない特性を有し、また、自動車依存の低減による運転者の健康増進、交通混雑の緩和等、公共の利益の増進に資するものであることから、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進することが求められている。
 他方、自転車関連交通事故について、自転車が第一当事者(交通事故に関与した事故当事者のうち最も過失の重い者)となった事故件数は、過去十年間減少傾向にある(平成二十二年二万三千六百五十九件、令和元年一万五千六百七十三件)が、悪質な交通違反や重大な事故が発生していることが報道等で散見される。
 このような悪質な交通違反や重大な事故の原因の一つとして、自転車利用者に、自転車は車両であるという自覚がないことや、ナンバープレートがないことから事故の際に自転車利用者が特定されづらいこと等が考えられるため、総合的な安全対策を講じる必要がある。
 平成二十四年、東京都自転車対策懇談会では、自転車のナンバープレート制度についての議論が行われ、その提言(「自転車問題の解決に向けて」平成二十四年九月)では「自転車利用者が「自転車は車両である」という自覚を持ち、車両の運転者としての責任感を醸成するとともに、事故等の際に周囲から自転車利用者を特定することを目的としたナンバープレート制度(中略)については、それぞれクリアすべき課題も多いが、いずれもその効果が見込まれることから、東京都においては、本懇談会での議論を引き継ぐ形で、積極的に導入に向けて検討すべきである。」とされた。関連して、以下質問する。

一 平成二十九年五月一日に施行された自転車活用推進法では、その基本理念として交通安全の確保が掲げられており、自転車によるひき逃げ事件に対してもその減少の効果を期待するところである。
 同法が施行され既に約三年が経過しているが、自転車によるひき逃げ事件の発生状況について、施行後三年間と施行前三年間の各年毎の発生件数、施行後三年間と施行前三年間の各年毎の検挙率を明らかにされたい。
二 コロナ禍により、食事の宅配需要が増加している中で、宅配代行サービスを行う自転車が急増することで関連する事故が発生していることが報じられている。令和二年五月二十九日の衆議院内閣委員会においてこれに関連する質疑が行われ、政府から「自転車関連事故の減少に向けまして、必要な対策を講じてまいりたいと存じます。」との政府答弁があった。
 このことについて、昨年一月以降、自転車を利用した宅配代行サービス業者が当事者となった各月毎の事故発生件数について、政府として把握するところを明らかにされたい。
三 自転車による交通法令違反や重大な事故が発生する原因について、政府はコロナ禍以前と現在の比較検証を行っているか。行っている場合、どのように分析しているのか明らかにされたい。また、分析を行っている場合、自転車による交通法令違反や重大な事故を防止するために、政府としてはどのような施策を講じていくことが有効であると考えているのかを明らかにされたい。
四 改正道路交通法が令和二年六月三十日から一部施行され、自転車によるあおり運転も含む「妨害運転」が新たに規定された。
 改正法施行から本年十月までの間において自転車による「妨害運転」により摘発された件数を回答されたい。
五 かつて大阪府においては、大正十三年六月に大阪府令におけるナンバープレートに類似する制度が存在し、同様に大正十五年二月に布達された警視庁令により、記番号を記した車両番号札の交付と装着が義務付けられ、さらには、各府県でも義務付けられた。この点について、一般財団法人日本自転車普及協会自転車文化センターが平成二十六年に発行している「自転車文化センター研究報告書」の中で、「自転車のナンバープレート装着制度は自転車事故を減らす手段の一つとして効果が期待できる」として結論付けている。また、東京都自転車対策懇談会は自転車のナンバープレート制度について、利用者が「自転車は車両である」という自覚を持ち、車両の運転者としての責任感を醸成するとともに、事故等の際に周囲から自転車利用者を特定しやすくなる等の「効果が見込まれる」とし、「本来、国において検討・導入すべきもの」としている。
 自転車のナンバープレート制度導入について、過去に政府においても検討されたのか確認したい。また、今後政府において検討する予定はあるのか、見解を伺いたい。自転車のナンバープレート制度の導入を検討する考えが政府にない場合、自転車利用者が「自転車は車両である」という自覚を持ち、車両の運転者としての責任感を醸成するためにどのような施策を講じていくのか明らかにされたい。

 右質問する。

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