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令和二年十一月二十七日提出
質問第五四号

島しょ部における医療格差是正に関する質問主意書

提出者  松原 仁




島しょ部における医療格差是正に関する質問主意書


 日本が抱える最重要課題の一つである、少子高齢化は、島しょ部においてより急速に進展している。
 島しょ部の人口減少の背景には、医療や介護体制が本土の水準に遠く及ばない現状がある。例えば、妊娠から出産に至る妊婦及び新生児に関わる周産期医療を島で受けることが困難なため、定期検診や出産のために、妊婦が時間と費用を掛けて本土に行かざるを得ないケースが多数見受けられる。このような状況では、必然的に、妊娠適齢期にある女性は、島しょ部から離れることを考えざるを得ない。
 また、高齢者に対する介護の体制についても、島内に介護施設すらなく、介護が必要になった高齢者は島に住み続けることが難しいという現状も見受けられる。島しょ部の住民がライフサイクルの重要な局面において、島外に出ないと医療保険や介護保険を使えないという現状は、保険料を負担しながら、保険の恩恵を受けられないということであり、受益と負担のバランスの点で公平性を欠くと評価せざるを得ない。
 一方、5G等の最新の情報通信技術とAI(人工知能)等の先端技術の導入は、医療分野において遠隔診療やリハビリ指導、電子カルテ、あるいはドローンによる薬剤の配送等により、島にいながらにして本土並の医療サービスを受けられることを可能にしつつある。
 そこで、次のとおり質問する。

一 高度技術の先行投資について
 1 島しょ部における5G等の最新の情報通信技術の先行投資が、医療分野における本土との格差是正にも資すると考えるが、政府として、島しょ部における5G等の最新の情報通信技術の先行投資を財政的に支援していくことを検討するか。
 2 長崎県の五島列島で行われている小型無人機ドローンとアバターを使った処方薬輸送を組み合わせたオンライン遠隔医療の実証実験は、島しょ部に住む患者が処方薬の継続的購入のために郷里の島しょ部から移住せざるを得ない状況を回避する現状の打破に資すると考えるが、政府として、同様の実証実験が他の島しょ部でも行われるよう支援することを検討するか。
二 医療介護体制の支援について
 1 島しょ部の人口減少の原因の一つといえる周産期医療体制の脆弱性を改善するために、産婦人科医や助産師を島しょ部の離島に一人はいる医療体制を整備するべく、政府として、財政的支援を行うことを検討するか。
 2 島しょ部の離島内に介護施設すらなく、介護が必要になった高齢者がそのような島に住み続けることが難しいという現状は早期に是正されるべきと考えるが、政府として、少なくとも、各離島に一介護施設が整備されるために、財政的支援を実施していくことを検討するか。
 3 前項の島しょ部の離島内における介護施設の整備が困難な場合、離島においては特例として家族介護に現金給付を行うことを政府として検討するか。

 右質問する。

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