衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和二年十一月三十日提出
質問第六二号

新型コロナウイルス感染症対策の財源に関する質問主意書

提出者  古本伸一郎




新型コロナウイルス感染症対策の財源に関する質問主意書


 新型コロナウイルス感染症の拡大は、我が国における医療及び経済体制に甚大な影響を及ぼしている。政府は累次にわたってその対策を行ってきており、国会における審議を経て、令和二年度第一次補正予算が四月三十日に、そして第二次補正予算が六月十二日に成立するに至った。
 医療や経済への影響を最小限に留めるべく、補正予算を通じて感染症対策を迅速に実効する必要性があることは言うまでもないことだが、一方でその財源のあり方については、未知の感染症対策という臨時の異例かつ緊急の対策が求められたとは言え、この間政府はもとより立法府においても充分な財源の議論がなされてきたとは言い難いと認識している。前述した補正予算に計上された経費の財源はいずれも建設及び特例国債によって賄われている。政府はこれまで二〇二五年度までのプライマリーバランス黒字化目標を掲げてきたこと、及び新型コロナウイルス感染症対策の長期化が予測されること等を踏まえれば、本来何らかの安定財源を確保するべきであり同時に将来世代への安易なつけ回しは可能な限り抑制的とすべきである。以上の問題意識を基に、新型コロナウイルス感染症対策の財源のあり方について、過去における東日本大震災における復興財源のスキームと比較検討しつつ、以下質問する。

一 新型コロナウイルス感染症対策の財源として発行された国債は、第一次補正と第二次補正の両方を合わせて総額いくらであるか。また、これら発行された国債は六十年償還ルールに基づき返済されると思うが、正しいか。
二 六十年償還によるとすれば、仮に新型コロナウイルス感染症対策で発行された国債全額を十年債で発行し、借り換えを行い、かつ利率を直近の十年債の表面利率である〇・一%として試算すれば、債務償還費の累計総額はいくらとなるか、お尋ねする。
三 東日本大震災時における財源は復興債の発行により賄ったと承知している。復興債は、一般会計とは別建てで管理されることで経費との関連性が明確になり、加えて一般的な国債と別の償還期限が設定される等、国債を発行するにあたって一定程度の管理がなされていたものと考えられる。こうした事例に基づき、新型コロナウイルス感染症対策の財源として発行された国債についても、経費との関連性を明確にするような措置、例えば時限での特別会計化を行うことも考えられないか、お尋ねする。
 また十万円の特別定額給付金や「Go To トラベル事業」等の感染症拡大に伴う経済対策により受益する世代が自らその財源を賄うことができるような償還期間の期限設定を行い、できるだけ前倒し償還した方が将来世代へのつけ回しを少しでも軽減できると思うが正しいか。またその場合、六十年償還ルールを見直して繰り上げ償還はしないのか、政府の見解を問う。
四 東日本大震災における復興事業の財源フレームは、そもそも歳出削減と復興増税によるものだった。その際、復興債は税収による安定財源が確保されるまでの一時的な役割を果たしていたと承知している。「がんばろう東日本」の標語のもとで、復興にかかる経費を国民全体で分かち合い負担することが可能であった背景には、当時被災が東日本に集中していたことから、その他の地域に住む国民が分かち合いの精神のもと、増税等により復興財源を負担することに幅広く合意できたからであったと考えられる。
 一方、今般の新型コロナウイルス感染症対策においては、その経費を捻出するための歳出削減や安定財源の確保についてほとんど議論になっていないが、財政健全化は新型コロナウイルス感染症対策と同時に果たすべきであり、歳出削減努力はもちろんのこと、安定財源の確保等により国債依存度を減らす努力を尽くすべきと考えるが政府の見解を問う。
 また、東日本大震災の時とは異なり、今般の新型コロナウイルスの場合では、多くの国民が等しく負の影響を受けており、国民全員が新型コロナウイルスという困難と闘っていると言える。このため新型コロナウイルス感染症対策の財源については東日本大震災の時と比べて分かち合いの合意形成が異なる状況にあると考えられるが、以上の問題意識を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策として緊急的に国債で賄った費用については、新型コロナウイルス感染症による経済的被害が限定的であり、かつ担税力のある個人・法人を対象に、政府は租税での応分の財源負担を求めてはどうか、質問する。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.