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令和三年二月十九日提出
質問第五一号

新型コロナウイルス等の殺菌に用いる紫外線に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




新型コロナウイルス等の殺菌に用いる紫外線に関する質問主意書


 新型コロナウイルス感染症の感染予防策には、様々なものが使用されている。その中で、紫外線ランプ及び殺菌灯、紫外線殺菌装置を用いた紫外線の殺菌作用が挙げられており、新型コロナウイルスへの効果を記載しているものも存在する。紫外線は殺菌作用がある一方、人体への直接又は間接照射による眼疾患又は皮膚疾患など、施設の労働者や利用者に健康被害を引き起こす可能性があることから、使用には細心の注意が必要とされる。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 厚生労働省の「医療機関における院内感染対策について」(平成二十六年十二月十九日付け医政地発一二一九第一号厚生労働省医政局地域医療計画課長通知)によると、紫外線照射等については、「効果及び作業者の安全に関する科学的根拠並びに想定される院内感染のリスクに応じて、慎重に判断すること」とされているが、医療機関ではない施設における紫外線照射等については、慎重に判断する必要はないか。また、政府は医療機関ではない施設での紫外線照射等について、今回の新型コロナウイルス感染症を含めた感染対策に用いる際の注意点について通知を発出するとともに、ホームページにおいて当該通知を公表する考えはないか、政府の見解を問う。
二 厚生労働省の「特殊健康診断指導指針について」(昭和三十一年五月十八日付け基発第三〇八号。以下「通達」という。)による特殊健康診断の指導勧奨について、使用者が特殊健康診断を実施するように指導勧奨することとされている対象業務の中に、「紫外線、赤外線にさらされる業務」が挙げられている。一方で、昨今の新型コロナウイルス感染症の感染予防策として、紫外線を屋内照射する施設も存在する。
 1 新型コロナウイルス感染症の感染予防策として紫外線を照射する施設において、紫外線にばく露する業務は、厚生労働省の通達における特殊健康診断の指導勧奨の対象業務に該当することになるか、政府の見解を問う。
 2 新型コロナウイルス感染症の感染予防策として紫外線を照射する施設において、従業員が業務上紫外線にさらされたことにより眼疾患又は皮膚疾患を発症した場合、労災補償の対象となる疾病の範囲を定めた職業病リスト(労働基準法施行規則別表第一の二)の第二号一に規定する「紫外線にさらされる業務による前眼部疾患又は皮膚疾患」に該当し、労災補償の対象となるか。また、使用者の安全配慮義務違反となるか、政府の見解を問う。
三 新型コロナウイルス感染症の感染予防策として紫外線を照射する施設において、当該施設利用客が、紫外線にばく露することにより眼疾患又は皮膚疾患といった人体への危害が生じた場合、その損害の賠償責任について、装置に欠陥があれば装置の製造者が負い、紫外線にばく露させたことに対して故意又は過失があれば装置設置者(当該装置を使用している施設管理者等)が負うこととなるのか、政府の見解を問う。
四 紫外線ランプ及び殺菌灯に関して、例えば「直接又は間接に肉眼で見ない」、「紫外線を皮膚に直接又は間接にあてない」、「常時人の居る場所や紫外線が直接又は、天井からの反射光が人にあたる場所では使用しない」ことを警告している製造者又は販売者がある一方で、警告を十分に記載していなかったり、説明していなかったりする製造者又は販売者が存在する。紫外線ランプ及び殺菌灯に関する警告が十分周知されていない実態があることから、眼や皮膚を防護していない者がいるにもかかわらず、紫外線を照射してしまい、施設や家庭で紫外線にばく露する危険性がある。こうした使用事例により、人体に危害が生じないよう、政府は、新型コロナウイルス感染症の感染予防に用いる際の注意事項を国民に十分周知する必要はないか、政府の見解を問う。
五 消費生活用製品安全法において、ガス瞬間湯沸器等の販売を行う際には、経年劣化により危害を及ぼすおそれが多く、適切な保守が必要である旨の説明が義務付けられており、携帯用レーザー応用装置の販売の際には、安全基準を満たしていることや使用上の注意事項等の表示が義務付けられている。他にも、販売時に説明や書面の交付を義務付けているものは少なくない。紫外線ランプ及び殺菌灯を販売する際にも、人体に危害が生じるおそれがある旨のほかに、施設において紫外線を空間照射し、利用者の人体に危害が生じた場合には、装置設置者が損害賠償責任を負う旨を購入者に説明した上で販売するよう、製造者及び販売者を行政指導する必要はないか、政府の見解を問う。
六 海外で製造された紫外線ランプ及び殺菌灯、紫外線殺菌装置には、製品の安全性が確認できていないもの及び適切な使用方法が明示されておらず、使用者に危険が及びかねないものがあるとされる。「電気消毒器」に当たる紫外線殺菌装置については、電気用品安全法の適用対象となっており、国内で生産されたものか海外から輸入されたものかを問わず、事業者に技術上の基準に適合させることが求められているが、電気用品安全法施行令別表第二により登録検査機関による検査対象である特定電気用品からは外れており、電気用品安全法第八条第二項により事業者の自主検査に委ねられている。海外から輸入された紫外線殺菌装置について、取締りを強化する必要はないか、政府の見解を問う。
 また、新型コロナウイルス感染症の感染予防に用いるため販売が増えたと考えられることから、自主検査違反・技術基準違反を含めた平成三十年から令和二年の同法違反の件数及び行政指導・行政命令を発出した件数並びにそれぞれについて国内及び海外の製造事業者別の内訳を明らかにされたい。
七 紫外線ランプ及び殺菌灯は、照明用途以外に用いられるランプとして取り扱われ、電気用品安全法の指定品目となっていない。昨今、新型コロナウイルス感染症の感染予防に紫外線ランプ及び殺菌灯が用いられることから、電気用品による危険及び障害の発生の防止を目的とする電気用品安全法の指定品目に加え、国民の健康・安全を確保することが適当と考えられるが、政府の見解を問う。
 また、電気用品安全法の指定品目とならないのであれば、例えば携帯用レーザー応用装置が必要な品質の確保が十分でない事業者がいると認められる製品として消費生活用製品安全法の特別特定製品に指定されているように、登録検査機関による適合性検査を義務付ける消費生活用製品安全法の適用により、紫外線ランプ及び殺菌灯の一層の安全性を担保することが適当と考えられるが、政府の見解を問う。

 右質問する。

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