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令和三年三月十一日提出
質問第七四号

選択的夫婦別氏に関する質問主意書

提出者  源馬謙太郎




選択的夫婦別氏に関する質問主意書


 憲法第二十四条は、家庭生活における個人の尊厳と両性の本質的平等をうたっている。人権が最大限に尊重され、自由と平等が保障される豊かな社会を構築するためには、氏の決定においても個人の自由意思を尊重し、選択の幅ができるだけ広く許容される制度が必要である。
 平成二十七年十二月十六日、最高裁判所は、選択的夫婦別氏制度に合理性がないと断ずるものではないとした上で、このような制度のあり方は国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないとして議論を立法府に委ねた。また、夫婦同氏を強制する民法第七百五十条の規定について、初の合憲判断を示し、女性に偏る不利益を認めながらも、通称使用で一定程度緩和され得るとして、憲法に違反しないと結論付けた。
 現行民法制定後すでに七十年以上経過し、この間、家族の形態やライフスタイルは多様化し、婚姻や家族の役割などに対する個人の考え方や意識も大きく変化している。また平成十三年と平成二十九年の内閣府の世論調査を比較すると、女性の社会参画もすすむなか、婚姻による改氏によって不利益を被るのは多くの場合が女性であるため、氏を変えたくないと考える人が増えている。
 以上を踏まえ、以下、政府に見解を伺う。

一 近年、女性の社会進出は顕著であり、職業生活、社会生活上の信用や実績等を積み上げてきた女性は増加している。しかし、婚姻によって改姓すると、その信用や実績等が断絶してしまうことになる。婚姻に伴う改姓により不利益を被るのは多くの場合が女性である。このように、婚姻に伴う改姓は、婚姻前から積み上げてきた職業生活、社会生活に影響を及ぼすと考えられるが、具体的にどのような影響をもたらすのか、また、その影響は男女共同参画において重大か軽微か。政府の見解を伺う。
二 平成二十七年十二月十六日の判決を機に、政府は、運転免許証、住民票、マイナンバーカード、印鑑証明書への旧姓併記を可能とする施策を推し進めている。しかし、名前の使い分けによって新たな問題が発生することが懸念されており、旧姓併記の制度は証明の一助に過ぎず、民法改正による根本的解決を望む声がある。それにもかかわらず、選択的夫婦別氏制度ではなく旧姓併記の制度を進めるのはなぜか。旧姓併記の欠点、弊害はないのか、政府の見解を伺う。
三 同氏を強制している民法第七百五十条は、長男長女同士や一人っ子同士の婚姻を阻害して出生率低迷の一因となったり、少子化の中で氏の承継を困難にしていたりするという考え方がある。同氏強制は少子化や氏の承継にどのような影響があるか、政府の見解を伺う。
四 先進国で例外を許さない夫婦同氏制を採用しているのはわが国だけであり、国連女性差別撤廃委員会は、平成十五年以降、繰り返しわが国に早急な法改正を勧告している。最高裁判決の指摘や国連の勧告をどう認識しているか、政府の見解を伺う。
五 男女の実質的平等の保障及び個人の自由意思尊重の観点から、また安心して仕事や結婚、出産、子育てのできる環境整備のために、すみやかに民法を改正し、「選択的夫婦別氏制度」を導入するべきだという考え方がある。「選択的夫婦別氏制度」導入の見込みはあるのか、同制度についての現段階で議論はどこまで進んでいるのか。政府の見解を伺う。

 右質問する。

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