衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和三年四月十六日提出
質問第一〇三号

生活保護の生活扶助基準に関する質問主意書

提出者  長妻 昭




生活保護の生活扶助基準に関する質問主意書


 厚生労働省が二〇一三年一月下旬に公表した生活扶助基準改定案は、生活扶助基準を著しく切り下げる内容であった。その結果、この基準改定の行政処分の取り消しを求める訴訟が全国で提起されている。そこで、生活保護制度の生活扶助基準についてお尋ねする。

一 生活扶助基準改定の行政処分の取り消しを求める各地の訴訟で、原告勝訴の判決が出ても、厚労省が生活扶助基準を引き上げない限り、訴訟は長期化する。そのため、地裁判決が違法とした行政処分によって生活保護利用者が過少な生活扶助しか受給できない状態が長期化することになる。憲法第二十五条の「健康で文化的な最低限度の生活」のラインを規定する生活扶助基準の改定に関して、裁判所が行政処分の取り消しを認めた事実は非常に重い。地裁の判決を受けて、生活扶助基準の引き上げはしないのか、政府の見解をご教示願いたい。
 また、厚労省のデフレ調整が正しかったかどうかについて、統計委員会が早急に検証作業を始めるべきと考えるがいかがか。生活扶助相当CPI(物価指数)の計算に問題がなかったか。計算に問題があった場合には、政府は生活扶助基準の改定などの作業を急ぐべきであると考えるがいかがか。
二 生活扶助相当CPIを計算するときの比較の起点を二〇〇八年にした理由について、ご教示願いたい。厚労省の計算で生活扶助相当CPIの下落率が著しく大きくなったのは、大阪地裁判決が示すように、厚労省が選択した計算方式によってテレビやビデオレコーダー、パソコンなどの電気製品の価格指数低下の影響が非常に強く出たためか、政府の見解をご教示願いたい。生活保護世帯ではこれらの品目の支出割合は低く、厚労省の計算は生活保護世帯の実態からはかけ離れていると思われるがいかがか。
三 パーシェ・チェックの二〇〇五年〜二〇一〇年のパーシェ式の計算では五年間の下落率が六・九%となると思料するがいかがか。仮に六・九%が正しいとすると、ラスパイレス式で計算したときの下落率の〇・三%と乖離があるが、パーシェ式の六・九%という下落率は大きな統計誤差を含んだ数値ではないか、政府の見解をご教示願いたい。
四 厚労省の生活扶助相当CPIの計算で、二〇〇八年〜二〇一〇年の生活扶助相当CPIの下落率が約四・三%と著しく大きいのは、テレビやビデオレコーダー、パソコンなどの電気製品の価格指数低下の影響が非常に強く出ているのが一番の原因だと思料しているがいかがか。厚労省が生活扶助相当CPIの計算で、二〇〇八年〜二〇一〇年の期間をパーシェ式にしたのは、結果的に、テレビなどの電気製品の価格指数低下の影響が非常に強く出て生活扶助相当CPIの下落率が顕著に膨らむ計算方法を選ぶ行為だった、と考えざるを得ないが、政府の見解をご教示願いたい。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.