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令和三年四月二十一日提出
質問第一〇九号

コロナ禍における献血による輸血用血液製剤及び原料血漿の安定供給に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




コロナ禍における献血による輸血用血液製剤及び原料血漿の安定供給に関する質問主意書


 献血は、十六歳から六十九歳までの健康な人が、血液の全成分を献血する全血献血又は血液中の血小板や血漿だけを採血する成分献血(血小板成分献血・血漿成分献血)のどちらかを選択するものである。最新のデータである令和元年度の献血協力人数は、全国で延べ約四百九十三万人となったが、昭和六十年度の約八百七十六万人から総じて減少が続いており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う協力人数の減少も課題となっている。
 加えて、現在接種が進む新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種した者は、他のワクチンと異なり、献血の受け入れ基準となる期間が定められておらず、接種後一律に献血不可となっている。報道によると四月から五月頃に方針を定めるために検討中とされるが、新型コロナウイルス感染症のワクチンが二回の接種を必要とすることを踏まえると、ワクチン接種者が今後も長期間献血できないことが予想され、献血の不足により輸血医療に支障を来す事態となった場合、輸入血由来原料血漿にとどまらず、輸血用血液製剤についても輸入を要するおそれがあることから、献血者の対象拡大が急務となっている。
 右を踏まえ、次の事項について質問する。

一 「令和三年度の献血の推進に関する計画」(厚生労働省告示第百四十九号)によると、採血基準の在り方の検討の項目があり、「国は、献血者の健康保護を第一に考慮しつつ、献血の推進及び血液の有効利用の観点から、採血基準の見直しを検討する。」とある。採血基準の在り方の検討について、毎年献血の推進に関する計画に記載がありながら、平成二十三年四月一日以降、一回も見直しが行われていないのはなぜか、政府の見解を問う。
二 平成十一年、政府は全血献血及び血漿成分献血の年齢の上限を六十四歳から六十九歳に引き上げ、平成二十三年には血小板成分献血の年齢の上限を男性に限り五十四歳から六十九歳に引き上げた。欧州連合(EU)、英国、台湾などでは、上限年齢を超えても毎年医師の許可があれば延長できるようになっており、米国では健康体であれば年齢制限なく献血が行われている。なぜ日本では年齢について、このままにしているのか。また、近年の年代別献血者数と献血量の推移をみると、唯一、五十歳から六十九歳までの献血者数が増え続けていることを踏まえ、高齢者の献血の意思をさらに活かすことも必要と考える。献血者の年齢制限の変更又は撤廃を検討する必要はないか。
三 献血者の献血の間隔は、前回と今回の選択した献血内容により異なり、例えば前回が全血献血であれば、男性は十二週間、女性は十六週間後に献血が可能となる。年間の総献血量は、全血献血は男性が一・二リットル、女性が八百ミリリットル以内に限定されている。米国、EU、仏国、台湾などでは、全血献血の間隔は最短八週間となっており、年間の総献血量は最大六リットルまで可能としている。なぜ日本ではこの基準のままにしているのか。また、献血者の総献血量及びそれを確保するために待機期間について変更を検討する必要はないか。
四 全血献血の一回当たりの献血量は、昭和六十一年に二百ミリリットルから四百ミリリットルに増量されたものの、それ以来増えていない。米国、EU、台湾などでは、全血献血について最大で五百ミリリットルの採血が行われている。なぜ日本では献血量について、このままにしているのか。また、日本でも一回当たりの献血量について変更を検討する必要はないか。
五 政府は、輸血や臓器移植を受けたことのある者について、献血の対象から外している。日本国内の輸血は、国内の採血によって得られた輸血用血液製剤であり、未知のウイルスの影響といった安全性に懸念はないと考えるが、献血の対象から外している理由を伺いたい。また、国内において輸血や臓器移植を受けた者は献血の対象としてもよいのではないか。
六 新型コロナウイルス感染症と診断された者は、一般的に献血ができないとされている。しかしながら、現状でも無症状で感染し、濃厚接触や感染の判定もなく、献血を行ってしまっている者もいる可能性は高いと考えられる。こうしたことについて、政府はどのように考えているか。また、世界保健機関、EU及び米国は献血延期措置期間について、新型コロナウイルス感染症と診断されてPCR検査陰性後、新型コロナウイルス感染症の症状消失後、新型コロナウイルス感染症の感染者との最終濃厚接触後、いずれも一律十四日としており、日本も同程度の基準で差し支えないと通知を出すべきではないか、政府の見解を問う。さらに、採血された血液について、新型コロナウイルス感染症に関する検査を行っているか、詳細を伺いたい。
七 平成二十三年六月十六日に欧州議会が公表した献血に関する資料によると、ポーランドにおいて献血者は税控除が受けられるとの記載がある。献血の協力について、EUではインセンティブが様々提供されており、日本の献血においても、このような工夫を追加することで、献血希望者の裾野を広げてはどうか、政府の見解を問う。

 右質問する。

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