質問本文情報
令和三年六月二日提出質問第一五八号
ウイグル人強制労働の利用に関する質問主意書
提出者 松原 仁
ウイグル人強制労働の利用に関する質問主意書
令和三年二月二十六日に開催された衆議院予算委員会第三分科会で、中国におけるウイグル人の強制労働に関する本職の質問に対して茂木敏充外務大臣は、「松原委員、これからの時代、例えば一つの製品、これを購入するにしても、単にその製品がいいか悪いかだけではなくて、どういうプロセスを通じてその製品が作られたか、また、そこにどんな原材料が使われているか、人権であったり気候変動、普遍的な価値、こういったものに基づいた企業行動が取られているか、極めて重要な視点になってくるのは間違いないと思っております」と答弁した。
そうしたなか、我が国企業が製造した衣料が、ウイグル人強制労働に関する輸入禁止措置に違反したとして、米国税関・国境警備局によってロサンゼルス港で差し止められていたことが分かった。
平成二十三年の第十七回国際連合人権理事会で支持された「ビジネスと人権に関する指導原則」は、人権を保護する国家の義務として、国家は、その領域に住所を定めるすべての企業が、その領域外の活動についても人権を尊重するという期待を、明確に表明することを求めている。それらを踏まえて政府が昨年十月に策定した「ビジネスと人権」に関する行動計画は、今後行っていく具体的な措置として、「在外公館や政府関係機関の現地事務所等における海外進出日本企業に対する、行動計画の周知や人権デュー・ディリジェンスに関する啓発」を挙げ、「現地関係機関・団体等との協力も視野に、在外公館において、行動計画の周知や人権デュー・ディリジェンスの啓発を図っていく。その際、女性や子どもを始めとする社会的弱者を含むサプライチェーンにおける労働者の人権保護の課題に十分留意する」としている。
問題は、民間企業の情報収集能力に限界があり、強制労働等に関する人権デュー・ディリジェンスを十分に行えないことである。
政府は、大量破壊兵器関連貨物等に係るキャッチオール規制の実効性を向上させるため、輸出者に対し、大量破壊兵器等の開発等の懸念が払拭されない外国所在団体の情報を提供する「外国ユーザーリスト」を発出してきた。同様に、価値観を共有する諸外国と共同で、強制労働の懸念が払拭されない外国企業の情報を提供するリストを発出すべきと考えるが、政府の見解如何。
右質問する。