衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和三年六月十一日提出
質問第二一五号

政府系の開発金融機関の業務において人権を尊重することを担保する手続きの整備に関する質問主意書

提出者  櫻井 周




政府系の開発金融機関の業務において人権を尊重することを担保する手続きの整備に関する質問主意書


 企業の経済活動がグローバル化し、企業活動が社会に与える影響が大きくなる中で、企業に対して責任ある行動が求められるようなった。企業がSDGsや人権を尊重しているか否かについて社会の注目が高まっている。「ビジネスと人権」の理念に関する意識の高まりを受け、各企業に対してサプライチェーンも含め、人権尊重を求める動きが広まっている。政府は、ビジネスと人権に関する行動計画に係る関係府省庁連絡会議を設けて、啓発活動に努めている。
 また、SDGsや人権尊重を求める動きは、企業のみならずそれら企業に投融資する金融機関に対しても広まっている。特に、日本から開発途上国への投融資にあたっては、開発途上国の住民の人権侵害に加担することとならないか、注意深く確認するべきである。しかしながら、例えば本年二月一日に軍事クーデターが発生したミャンマーにおいては、政府系金融機関や官民ファンドなどが関わる事業が実施されてきたが、そうした事業にはロヒンギャに対する虐殺など人権侵害に加担した疑惑があるミャンマー国軍が関わっているとの指摘がある。すなわち、日本の政府系金融機関や官民ファンドなど日本国民の税金が、間接的ではあってもミャンマー国軍の人権侵害を幇助することになったのではないか、という疑念がある。
 そこで、以下、質問する。

一 ヤンゴン市内都市開発(通称「Yコンプレックス」)では、ミャンマー国軍が所有する土地を借り受けて事業開発を行っている。この事業には、多数の日本企業とともに、国際協力銀行と海外交通・都市開発事業支援機構など政府が関わる機関が投融資している。本事業の継続は、ミャンマー国軍への土地代の支払いの継続を意味し、それはミャンマー国軍の人権侵害を幇助することになる。したがって、国際協力銀行と海外交通・都市開発事業支援機構は、本事業から撤退せざるをえないと考えるが、その場合の損失は実質的に国民負担となるのか。
二 国際協力銀行と海外交通・都市開発事業支援機構など政府系金融機関等は、人権侵害のリスクについて敏感であるべきと考えるが、ミャンマーでの投融資については相手方の選定を含めて、杜撰であったと言わざるをえない。国際協力銀行は「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」を制定しているものの、Yコンプレックス事業への融資では十分なチェックができていたとはいえない。国際協力銀行は「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」の見直しを含めて、政府系金融機関等が国際世論が求めるSDGsや人権尊重を十分に確保した上で投融資を行う体制と規則を整備することを提案するが、政府の見解如何。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.