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令和四年四月二十二日提出
質問第五三号

日本人義勇兵に関する質問主意書

提出者  松原 仁




日本人義勇兵に関する質問主意書


 駐日ウクライナ大使館が本年二月末、外国人義勇兵を募集している旨を公式ツイッターに投稿したところ、約七十名の日本人から応募があったとセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使が述べている。また、そのうち約五十名が元自衛官だったと報道されている。日本人志願者がウクライナに入国したとの報道もある。
 本職もウクライナ救援のため活動する者であるが、これほど多くの日本人が命懸けでウクライナの人々を助けようとしていることに感嘆した。特に、多数の元自衛官が応募した事実は、「私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」と服務の宣誓を行った自衛隊員の精強さや勇気、正義感を示すものであり、大変心強く思った次第である。
 しかしながら、別の考え方が存在することも無視できない。ウクライナ語が堪能でない日本人がもっとも貢献できる方法は、兵士として従軍することでなく、人道支援活動や報道、国際世論への働きかけ等であるとする見解もある。また、日本人義勇兵を含め、外国人義勇兵がロシア軍に捕らえられた場合、人質のような存在となり、義勇兵自身が危険に直面するばかりか、その出身国の政府が直接紛争に巻き込まれ、当該政府が厳しい立場に立たされる危険もあり、結果的にウクライナの利益を損なうことにもなりかねないとの見解もある。
 実際、四月十八日、ロシア国営テレビは、ウクライナ側の兵士として同国で戦闘に参加し、ロシア側の捕虜となった英国人とされる二名が、ウクライナ政府に対し拘束している親ロシア派政治家と自分達の交換を働きかけるよう、ジョンソン英首相に嘆願する映像を公開した。
 そこで、以下、政府の見解を問う。

一 日本国憲法は、その前文で、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と規定し、また、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」と規定する。国民として、自ら危険を引き受け、その危険につき政府による庇護を放棄して義勇兵として当該前文の趣旨を実践する国民に対し、国民の国外犯規定がある刑法(明治四十年法律第四十五号)第百九十九条の殺人罪及びその未遂罪について、令和四年三月二十四日の国際連合による人道決議がなされて以降は、外国政府の指揮命令の下で行った行為は正当行為として違法性は阻却されるか。政府の見解如何。
二 ジュネーブ条約他、国際法の下では、戦争の当事国の正規軍の兵士が負傷したり、捕虜となるなどして戦闘外に置かれたときには、復讐や拷問等、屈辱的な扱いを受けることがないよう保護されるものとされている。一方、外国人義勇兵や傭兵については、戦闘捕虜となった場合、正規の戦闘員と同等の保護を受ける権利も認められず、その扱いは各国政府の判断に任されている。
 人の移動が国境を越えて自由になされている現代社会において、正規軍以外の戦闘に関与する者すべてを対象に正規軍同様の国際法上の合法的な地位を与えるよう、国際社会に新たな条約の締結を行うなど国際間での合意を図るべきとの見解があるが、政府の見解如何。

 右質問する。

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