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令和四年六月二日提出
質問第八五号

自衛隊におけるドローンの活用に関する質問主意書

提出者  井坂信彦




自衛隊におけるドローンの活用に関する質問主意書


 今般のロシアによるウクライナに対する侵攻においては、両軍が様々な用途でドローンを活用している。
 二○二○年九月に発生した、ナゴルノカラバフ地域におけるアゼルバイジャンとアルメニアの戦闘において、無人機による戦果が世界に衝撃を与えた。アゼルバイジャン軍の戦法は、旧式の複葉機を無人飛行させ、囮として防空システムを反応させることにより対空攻撃拠点を発見し、その対空攻撃拠点にドローンによる攻撃をしかけるというものであった。その結果、人的被害を最小化しながら防空システムを破壊し、制空権を奪ったのである。使用されたドローンは、偵察と攻撃の複合機能を持つバイラクタルTB2と、レーダーを探知して突撃する自爆型のハーピーであり、多大な戦果を挙げたといわれている。この戦闘の結果を踏まえて、各国ではドローン戦争の時代到来として戦略の見直しを図っているといわれている。
 我が国の自衛隊における無人機の活用については、予算計上され一部導入及び研究が行われている。また無人偵察機隊の編成も行われている。しかしながら、アメリカでは十年以内に千機以上の戦闘用ドローンを購入するともいわれており、世界各国が取り組む無人機の活用戦略からは大きく後れを取っている。
 自衛隊の機能として攻撃に特化したドローンの運用は難しいとしても、偵察、迎撃、救助、輸送、囮、電子戦など、今後は無人機を活用した戦略が重要になると考え、以下質問する。

一 現在、自衛隊が保有するドローンについて、使用目的別の機数はどのようになっているか。
二 令和三年五月二十一日の安全保障委員会における岸防衛大臣の答弁では、「攻撃型のドローンにつきましては、現時点で具体的な取得計画はございません。」としている。偵察などと併せて防衛のために攻撃もできる複合型ドローンの取得について、政府の見解はいかがか。
三 無人機は航空機分野だけに留まるものではない。人的被害の最小化を考えると、車両や船舶の無人機を活用することも考えられるが、政府の見解はいかがか。
四 無人機の有効活用には、操縦とシステム管理が重要になってくる。自衛隊におけるドローン操縦士の育成と、システム管理ができる人材の育成について、どのように進めていくつもりか。
五 令和四年一月三十一日、自衛隊のF−一五戦闘機が墜落し、搭乗していた二名のパイロットの死亡が確認される痛ましい事故が発生した。原因は調査中であるが、空間識失調が推測されている。日常的な訓練が大事なのはもちろんであるが、ドローンによる偵察や、ドローンが訓練時の仮想敵を担うことで、パイロットの負担軽減が考えられるが、政府の見解はいかがか。
六 偵察用ドローンや輸送用ドローンは、災害時の活用が期待される。災害時専用のドローンだけでなく、軍事用ドローンを災害時にも活用することで日頃の訓練の成果が発揮できると考える。このように今後の無人機活用は、複合的にかつ効率的な運用をすべきと考えるが、政府の見解はいかがか。

 右質問する。

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