衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和四年六月二日提出
質問第八八号

ジェノサイドに関与した者の入国拒否等に関する質問主意書

提出者  松原 仁




ジェノサイドに関与した者の入国拒否等に関する質問主意書


 中華人民共和国(中国)新疆ウイグル自治区における中国当局によるウイグル人へのジェノサイドや人道に対する罪に関して、数万件もの内部資料が流出し、日米欧の十四の報道機関が検証したうえで本年五月二十四日に報道した。そのなかには、新疆ウイグル自治区の中国共産党委員会書記として弾圧の責任者であった陳全国氏による、「特に海外からの帰国者は片っ端から捕らえるのだ。重大犯罪者の取り扱いに従い、まず手錠をかけ、覆面をかぶせろ」「拘束した人間が数歩でも逃げれば射殺せよ。逃げる者を射殺するのに何の問題があるのか。とっくに許可している」との命令や、「(習近平)総書記が私を新疆に送り込んだ理由は、新疆を平定して共産党中央指導部に差し出させるためだ」「習総書記を核心とする党中央を安心させよ」との習総書記の関与を示唆する訓示等、録音に基づく発言記録が含まれる。陳全国氏は、アメリカ合衆国による制裁措置の対象者である。
 日本国憲法前文に「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」とある。平成二十五年十二月十七日に閣議決定された国家安全保障戦略は、「さらに、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値やルールに基づく国際秩序を維持・擁護することも、同様に我が国にとっての国益である。」と明記する。
 それらを踏まえ、以下、質問する。

一 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第五条第一項第十四号は、「法務大臣において日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当する外国人は、本邦に上陸することができないと定める。陳全国氏は、同号に該当する外国人であると考えるが、政府の見解如何。
二 いわゆるG7の国々のなかで、我が国だけが、海外で起きた深刻な人権侵害に責任がある者に対して制裁措置を講じる根拠となる、いわゆるマグニツキー法を有していない。このことは、日本国憲法前文や国家安全保障戦略で示された我が国のあり方に反していると考える。いわゆる日本版マグニツキー法の制定が急務であると考えるが、政府の見解如何。
三 岸田文雄首相は、令和三年十二月八日の衆議院本会議において、いわゆる日本版マグニツキー法について、引き続き検討していく旨発言している。そして、林芳正外務大臣も、令和四年三月四日の衆議院外務委員会で、引き続き検討してまいらなければならない旨発言している。このように政府は検討しているというが、検討期間が長くなれば長くなるほど、結局、日本は人権意識が低い国なのではないかと国際社会から疑念を抱かれるのではないかと考えるが、政府の見解如何。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.