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令和六年六月十八日提出
質問第一九九号

国連憲章におけるいわゆる「旧敵国条項」に関する質問主意書

提出者  神津たけし




国連憲章におけるいわゆる「旧敵国条項」に関する質問主意書


 国際連合(以下「国連」という。)の加盟国の権利や義務を規定するとともに、国連の主要機関や手続を定める国連憲章には、第五十三条や第百七条のように、第二次世界大戦中に連合国の敵国であった国々に対し、地域的機関などが安全保障理事会の許可がなくとも強制行動を取り得ることなどが記載されている条項(いわゆる「旧敵国条項」)がある。ここでいう旧敵国の具体的な国名は、国連憲章には明記されていないが、七か国(日本、ドイツ、イタリア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、フィンランド)を指すと考えられていると承知している。
 しかしながら、国連の設立から間もなく八十年を迎えようとしている今日、旧敵国とされている国は全て国連加盟国となっており、未だに国連憲章においていわゆる「旧敵国条項」が残されているのは問題であると考える。こうした観点から、以下質問する。

一 過去、政府は、一九九五年の国連総会においていわゆる「旧敵国条項」が既に死文化しているという認識を示す決議が全ての安保理常任理事国を含む百五十五か国の賛成により採択されたことや、二〇〇五年の国連首脳会合において国連憲章から敵国への言及を削除するとの全加盟国首脳の決意を示す成果文書がコンセンサスで採択されていることを挙げ、いかなる国も「旧敵国条項」を援用する余地はもはやないと考えている旨答弁している(例えば、第二百八回国会参議院外交防衛委員会(二〇二二年四月十九日)における林外務大臣の答弁)。
 1 過去の政府答弁で示されている同条項に対する政府の見解は、同条項の法規範性も否定しているのか、答弁願いたい。
 2 同条項に対する政府の見解は、国連の全加盟国が持つ共通の認識であると言えるのか、答弁願いたい。
二 一で述べた二〇〇五年の国連首脳会合における成果文書の採択から現在までの間に同条項が削除されるに至っていない理由について、政府はどのように認識しているのか、説明願いたい。
三 過去、国連総会一般討論において総理大臣等が行った演説において、「旧敵国条項」の削除の必要性を指摘したことがあったようであるが、二〇二三年九月に行われた岸田総理大臣による国連総会一般討論演説では、その旨の指摘がない。
 1 国連総会一般討論演説において、総理大臣等が「旧敵国条項」の削除の必要性を指摘した直近の例はいつか、お示し願いたい。また、その直近の例以降、昨年まで「旧敵国条項」の削除の必要性を同演説において指摘していない理由について説明願いたい。
 2 1で示された直近の例以降、国連総会の一般討論演説以外の国連の場において、総理大臣や外務大臣が同条項の削除の必要性について言及した例はあるのか。あるのであれば、その例についてお示し願いたい。
四 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないと認識するが、中国は我が国が同諸島を不法に占拠しているとの立場をとっている。中国が国連憲章に「旧敵国条項」が残存していることを活用し、我が国による尖閣諸島の実効支配を旧敵国による侵略政策の再現とみなして平和的解決も話し合いもせず、同条項を根拠に我が国に対して軍事的制裁を科してくる可能性があるのではないかと思われるが、政府の見解について伺いたい。
 
 右質問する。

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