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令和六年六月十八日提出質問第二〇三号
アクアポニックス等に関する質問主意書
提出者 緑川貴士
アクアポニックス等に関する質問主意書
国連食糧農業機関(FAO)によると、令和四年の水産物生産で養殖漁業が初めて天然漁業の割合を上回った。海洋環境の変化に対応した、魚種・漁法の複数化の取組の強化を図り、世界の食糧需要における養殖漁業の重要性も増している。アクアポニックスは、水産養殖の「Aquaculture」と、水耕栽培の「Hydroponics」からなる造語で、魚と植物を同じシステムで育てる新しい農漁業としても注目されている。
一 地球温暖化の影響でサンマやサケ等、主要魚種の不漁が相次ぐ中、漁業経営の安定化には、資源量の変動に応じて複数の漁法や魚種を柔軟に組み合わせる必要がある。北日本においては、南からの北上する暖水系の魚種の漁獲数が顕著に増えており、当該魚種、漁法の複数化が追い付いていない地域がある。取組の加速化への政府の支援を求める。
二 FAOによれば、令和四年の養殖漁業の生産高は九千四百四十万トンで、水産動物生産全体の過半を占め、食用水産物に限れば、養殖水産物の割合は五十七パーセントにものぼっている。我が国における漁業経営の安定化には、海業等も含めて民間事業者等とも協力しながら、漁業の将来を考えていくことは重要であり、養殖業との兼業の新たな形として、アクアポニックスによる漁業の活性化の可能性について政府の見解を求める。
三 アクアポニックスでは、土づくりや草むしり等、体を酷使する作業が少ないため、高齢者の雇用の促進につながると考える。
さらに障害者福祉においては、埼玉県ではニシキゴイとニンニクを育てている福祉作業所もあるなど、障害者の所得向上にも資する取組が進められている。アクアポニックスを通じた農漁業と福祉との連携を進める重要性について政府の見解を伺う。
右質問する。