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令和六年十一月十一日提出
質問第四一号

警察におけるテーザーガンの採用に関する質問主意書

提出者  松原 仁




警察におけるテーザーガンの採用に関する質問主意書


 本職は、令和三年十一月十日、「女性警察官の受傷事故等防止対策に関する質問主意書」(第二百六回国会質問第二号)を提出し、女性警察官の受傷事故等防止の観点から、警察におけるいわゆるテーザーガンの採用を提言した。テーザーガンとは、圧縮窒素によって電極を飛ばして電流を流し、対象者に一時的な麻痺を起こさせることによって制圧する優れた装備品であり、米国、英国等の法執行機関で広く採用され、大きな成果を上げている。
 「衆議院議員松原仁君提出女性警察官の受傷事故等防止対策に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質二〇六第二号)を受領した直後の令和三年十一月二十三日、埼玉県戸田市の路上で、無職の男が警察官四人を刃物で切り付け、公務執行妨害及び殺人未遂の容疑で現行犯逮捕される事件が発生した。右腕を刃物で突き刺された警察官は、症状固定まで一年から一年半を要する右上腕動脈断裂等の重傷を負った。そうしたことから、男女を問わず、全ての警察官にテーザーガンを携帯させるべきと考えるに至った。
 我が国の警察官は、柔道又は剣道の有段者であり、逮捕術も習得しており、高い執行力を持つ。しかしながら、刃物を振り回して警察官に抵抗する者を、けん銃を用いずに制圧することは、危険及び困難が伴う。また、徒手格闘においては、逮捕術等に熟達した警察官であっても、自らより体重が数十キロ重く身体能力の高い者が必死で抵抗した場合に、けがをさせることなくこれを制圧することは、決して容易ではない。テーザーガンの威嚇力を活用して、発射することなく警告のみによって抵抗を断念させるほうが、必要な最小の限度において規定された手段を用いるべきと定める警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)第一条第二項に合致する。
 やむを得ずテーザーガンを発射する場合も、他の手段と比較して危険が少ないといえる。米国ウェイク・フォレスト大学教授のウィリアム・ボーズマン医学博士が平成二十一年に米国緊急医学会の学会誌に発表した論文によれば、テーザーガンが犯罪容疑者に使用された千二百一件の事例を調査したところ、九十九・七五パーセントの対象者は全く負傷していないか軽微なけがをした程度だった。負傷した三件のうち二件は転倒した際の頭部外傷で、残る一件は横紋筋融解症だった。ボーズマン博士は、「警察が暴力的又は戦闘的な容疑者を制圧するとき用いる他の選択肢と比較すると、これらの武器(テーザーガン)はたいへん安全のように思える」と述べている。
 我が国でも、男女を問わず警察官にテーザーガンを携帯させ、警察官等けん銃使用及び取扱い規範とは異なる規則に基づいて運用されるべきと考えるが、警察庁における現在の検討状況如何。
 
 右質問する。

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