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令和七年一月二十七日提出
質問第一二号

TSMC及びJASMに対する支援等に関する質問主意書

提出者  原口一博




TSMC及びJASMに対する支援等に関する質問主意書


 政府は、先端半導体の製造基盤整備のため、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited(以下「TSMC」という。)及びJapan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社(以下「JASM」という。)に対して、特定半導体基金事業によりこれまで合計一兆二千八十億円もの巨額の補助金を投入するなど支援を行い、令和六年十二月には熊本県菊池郡菊陽町のJASM第一工場が本格稼働を開始した。しかし、巨額の補助金を投入したTSMC及びJASMの我が国への誘致は、熊本県内に交通渋滞などの悪影響をもたらしているほか、我が国の半導体産業の育成及び強化につながらないと考えるため、以下質問する。

一 TSMC及びJASMの誘致による我が国及び地元への影響
 1 JASM工場の立地地域である熊本県内では、渋滞の発生、地価の高騰、農地の減少等のマイナスの影響が生じていると聞く。政府は、このような地元へのマイナスの影響についてどのように把握し、評価しているのか。
 2 JASMは第一工場と第二工場で合わせて三千四百名の雇用を予定しているほか、TSMC及びJASM誘致に伴う企業進出等を背景に人材争奪戦が激化しており、地元企業では必要な人材の確保が困難となる事態が生じていると聞く。政府は、こうした地元企業による人材確保への影響についてどのように把握し、評価しているのか。
 3 政府は、以上のような立地地域等に生じたマイナスの影響を緩和するためどのような対策を講じていくのか。
 4 熊本県内ではJASM工場の本格稼働により、同県の宝である地下水の枯渇や汚染といった環境への影響を懸念する声もあると聞く。政府は、立地地域におけるこうした目に見えない不安を払拭するため、どのような対策を講じていくのか。
二 我が国における半導体の供給確保及び半導体産業の育成、強化の在り方
 1 私が第二百十六回国会で提出した質問主意書に対し、政府は、我が国半導体産業の復活に向けて、まず足下の生産基盤の確保に取り組むこととし、特に特定半導体については、国際的にも生産能力が限られているため、外国企業であるか否かにかかわらず、国内における安定的な生産体制の確保が重要であると答弁している。しかし、TSMC及びJASMの誘致により生産体制が確保されたとしても、同工場において製造される半導体が我が国企業をはじめとする我が国に確実に供給されなければ、我が国における特定半導体の安定供給確保につながらないと考えるが、TSMC及びJASMは我が国に対し半導体の供給義務を負うのか、政府の見解を問う。
 2 TSMC及びJASMの誘致により半導体の生産基盤が確保されたとしても、外国企業であるTSMCに我が国における半導体の製造を依存することにつながりかねず、我が国の半導体産業における自立的な半導体製造能力の育成や半導体産業の振興に寄与するのか疑問もある。TSMC及びJASMの誘致により我が国半導体企業の製造能力の育成や半導体産業の振興にどのような効果がもたらされるのか、政府の見解を問う。
 3 一で述べたTSMC及びJASMの我が国への誘致に伴う地元に生じたマイナスの影響や我が国半導体産業への効果を踏まえれば、外国企業であるTSMC及びJASMの誘致のために巨額の国費を投入するのではなく、自国の半導体製造企業の育成・強化を徹底的に図ることこそ重要と考えるが、政府の見解を問う。

 右質問する。

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