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令和七年一月二十八日提出
質問第二七号

医師の研修義務および美容医療の急拡大による消費者への影響に関する質問主意書

提出者  松原 仁




医師の研修義務および美容医療の急拡大による消費者への影響に関する質問主意書


 近年、医師国家試験に合格した医師志望者が研修期間を十分に経ることなく、美容医療に流入する傾向が指摘されている。この現象は、医療の質の低下や術後の医療トラブルの増加につながり、さらに救急医療や公的医療保険等の社会資源の利用にも影響を与えることが懸念される。
 特に美容医療では高収入が期待できることから、これが医師の偏在や研修不足の一因ともなっている可能性があると考える。
 また、昨今の報道によれば、美容医療における医療トラブルが増加しており、特に緊急医療体制への負担が指摘されている。さらに、美容医療において、適切な研修を経ていない医師による手術が原因とされる深刻な医療事故が増加しており、患者への影響が深刻化している。美容医療で被害を受けたと感じた患者が、被害を申告しにくいという特性がある美容医療で、このような報道が多くなされているということは、報道以上に実態は深刻であると考える。
 さらに、美容医療業界における広告活動が過剰であり、これが患者の不適切な期待や需要を助長しているとの指摘もある。また、美容医療を含む医療全般で、患者が手術前に同意書に署名を求められることから、患者が実際に被害を受けたと感じても、被害回復を訴え出にくい面がある。このような背景を考慮し、適切な医療提供体制を確保するための対応が急務であると考える。
 そこで、次のとおり質問する。

一 医師免許取得後の医師臨床研修の現状について、昨年度の修了率および未修了者の人数を可能な限り明らかにされたい。
二 医師臨床研修が医療の質向上に果たす役割について、政府の見解を明らかにされたい。
三 政府が把握している最新の国家試験合格後に美容医療に従事している医師の人数および割合を可能な限り示されたい。
四 三を踏まえ、政府として、医師の偏在が存在すると考えているか、政府の見解を明らかにされたい。
五 国家試験合格後、医師臨床研修を経ずに美容医療を志す背景には、報酬を含めた研修医の待遇の問題が存在すると考えられるが、保険医療に対する診療報酬の見直しについての政府の見解如何。
六 研修期間を十分に経ることなく、医療経験不十分な医師が行う手術に関し、患者による事前の同意書の提出がなされていたとしても、同意内容如何では公序良俗に反し無効とされる部分も出てくると考える。患者が医師へ提出する同意書は、医師の責任追及に対する阻害要因となるものであるから、患者が不合理な不利益を甘受することがないよう、政府主導で指針等の作成を検討すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
 
 右質問する。

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