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令和七年二月四日提出質問第三七号
食料・農業・農村政策に係る政府の基本的認識に関する質問主意書
提出者 原口一博
食料・農業・農村政策に係る政府の基本的認識に関する質問主意書
私が提出した質問に対する答弁書(内閣衆質二一六第一三号。以下「前回答弁書」という)を踏まえ、食料・農業・農村政策に係る政府の基本的認識について、以下、質問する。
一 前回答弁書において、相続に伴う農地の課題の解決策として、義務化された相続登記の申請について周知及び適正な運用の確保を行うほか、地域計画の策定を推進した上で地域計画の区域において農地中間管理事業を重点的に行い、農業の担い手への農地の集積・集約化を図る旨の答弁をしている。しかし、農林水産省の「地域計画(モデル地区)の取組状況(令和六年七月末時点)」においては、地区内の農地面積の三割以上が遊休農地の地区、後継者が不足している地区、十年後には離農していると考えている農家が約三割いることが明らかになった地区等があり、地域における農業の継続が危ぶまれる課題が散見される。このことは、政府のこれまでの農地面積及び農業者の減少に対する取組が十分でなかったことの証左であると考える。農地の集積・集約化の現状並びに本年四月以降の農地の集積・集約化の目標及び目標達成までの工程をそれぞれ明らかにされたい。
二 我が国の食料安全保障を確かなものとするため、地域計画の策定過程で近い将来に営農する農業者がいなくなることが判明した農地について、外国人及び外国法人による当該農地の取得を阻止する必要があると考えるが、現状、政府の見解及び必要があるとすれば、その阻止に係る対策の具体的内容を明らかにされたい。
三 相続土地国庫帰属制度等により国庫に帰属した農地について
1 当該農地の件数、面積、所在地(都道府県単位)を可能な限り明らかにされたい。
2 当該農地は引き続き農地として活用するべきと考えるが、政府の認識、取扱いの現状及び今後の対策を明らかにされたい。
四 前回答弁書において「一般論としては、農業者の所得を補償する施策については、農業経営の改善に向けた取組を妨げる懸念があること等から、御指摘のように「民主党政権時に実施した農家への戸別所得補償制度を復活させる」ことは考えていない。」と答弁している。
1 民主党政権時の戸別所得補償制度が農業経営の改善に向けた取組を妨げたという事実はあったと政府は考えているのか。あったとするのであれば、当該事実の内容を明らかにされたい。
2 その上で、農業者の所得を補償する施策が農業経営の改善に向けた取組を妨げるという一般論の根拠を明らかにされたい。
五 遺伝子組み換え食品の表示は、義務表示対象が九種類の作物及び三十三加工食品群に限定されており、例えばしょうゆ、大豆油、液糖、コーン油、マーガリン、菜種油、砂糖は義務表示の対象とされていない。しかし、しょうゆ、大豆油、液糖、コーン油、マーガリン、菜種油、砂糖といった加工食品については、消費者に直接的に利用・消費され、若しくは消費者に身近な加工食品の原材料として利用されているものである。国民による安全・安心な食品の選択を可能とするためにこれらの加工食品及びこれらの加工食品を原材料として使用した加工食品についても義務表示の対象とする必要があると考えるが、政府の認識を明らかにされたい。
六 我が国の食料消費の現状に鑑み、昆虫食を政府が推進する必要性はないと考える。農林水産省がみどりの食料システム戦略において昆虫食の研究開発の産学官連携による推進を位置付けた理由及び経緯を明らかにされたい。
右質問する。