質問本文情報
令和七年三月五日提出質問第七九号
トルコ国籍者への査証免除措置に関する質問主意書
提出者 松原 仁
トルコ国籍者への査証免除措置に関する質問主意書
現在、少なくない数のトルコ共和国国籍者が、就労目的で来日するにもかかわらず、観光目的の査証免除措置を本来の趣旨を逸脱して利用し、日本への入国後には難民認定申請を行い、滞在しているとの指摘があり、社会的に大きな問題となっている。我が国とトルコ共和国は、昨年、外交関係樹立百周年の記念すべき年を迎えたが、事実に基づかない難民認定申請問題を放置すれば、両国民の友情の歴史に影を落としかねないと考える。
そこでお尋ねする。
一 過去二十年間のトルコ共和国国籍の難民認定申請者数及び難民認定者数について、それぞれ五年ごとの合計を可能な限り明らかにしたうえで、難民不認定者数は、同国国籍の難民認定申請者数の何パーセントか、同様に過去二十年についてそれぞれ五年ごとの数字を可能な限り示されたい。
二 令和四年度及び令和五年度のトルコ共和国国籍の難民認定申請者数と難民認定者数を、それぞれ可能な限り明らかにしたうえで、令和五年度は、令和四年度に比べてそれぞれ何パーセント増加又は減少したか、数字を可能な限り示されたい。
三 産経新聞取材班「国会議員に読ませたい「移民」と日本人」(産経新聞出版、令和七年)は、「入管関係者によると、クルド人の難民申請者は毎年、冬を迎え農業や牧畜が農閑期となる十月〜十一月ごろに急増。翌年、放牧の季節が始まる五月〜六月ごろ帰国者が増えるという。二〇二三年の一年間のトルコ国籍の申請者約二千四百人のうち、三割に当たる七百人近くは翌二十四年六月ごろまでにすでに帰国した。入管関係者は「彼らは夏前になると「問題が解決した」と言って難民申請を取り下げ帰国していく。秋になると同じ人物が来日し、「また問題が起きた」といって難民申請する。かつての東北地方からの出稼ぎのように、農閑期に合わせた就労目的と考えられる」。」と記す。そこで、過去二十年間のトルコ共和国国籍の難民認定申請者数の、各月別の合計をそれぞれ可能な限り明らかにされたい。
四 トルコ国籍者が来日する際における査証免除措置の趣旨を逸脱した目的外の利用、及び難民認定制度の濫用あるいは誤用が疑われる申請が多数存在するとの指摘について、政府の認識如何。
五 我が国は、過去に、パキスタン・イスラム共和国、バングラデシュ人民共和国及びイラン・イスラム共和国に対する査証免除措置を一時停止したが、その結果、これらの国々との友好関係が決定的に損なわれたか、政府の認識如何。
六 トルコ共和国国籍者への査証免除措置を、一時停止すべきと考えるが、政府の見解如何。また、政府が、同国国籍者への査証免除措置の一時停止を考えていないならば、難民認定制度の濫用又は誤用的な申請を抑止するためにいかなる施策を実施し、それによって同国国籍の難民認定申請者数にどのような変化があったか、それぞれ明らかにされたい。
右質問する。