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令和七年三月十三日提出
質問第一〇八号

「世界最高水準のカジノ規制」の方向性に関する質問主意書

提出者  原口一博




「世界最高水準のカジノ規制」の方向性に関する質問主意書


 平成三十年五月二十二日の衆議院本会議において、当時の安倍内閣総理大臣は、特定複合観光施設(以下「IR」という。)に関し、「独立した強い権限を持つ、いわゆる三条委員会としてカジノ管理委員会を設置し、世界最高水準のカジノ規制を的確に実施することとしております」と答弁している。一方で、IR内に設置されるカジノ施設については、犯罪の温床となることや、依存症患者の発生など、様々な弊害が懸念されている。
 「世界最高水準のカジノ規制」の方向性について、以下、質問する。

一 カジノ管理委員会がカジノ事業や事業者等の審査、監督を行うに当たっては、事業者等から膨大な量の資料等が提出されることが想定される。カジノ管理委員会による審査、監督等が迅速に行われるとともに、多面的な分析が行われるよう、事業者等からカジノ管理委員会への資料等の提出については、紙媒体ではなく電子データによる提出を義務付ける必要があると考えるが、政府の見解を問う。
二 特定複合観光施設区域整備法(平成三十年法律第八十号。以下「整備法」という。)第六十九条において、カジノ事業者は、暴力団員等を「カジノ施設に入場させ、又は滞在させてはならない」とされている。カジノ利用客や従業員等が暴力団員等に該当しないことについて、カジノ事業者に、具体的にどのように判断させるのか。政府の見解を問う。
三 暴力団員等であると疑われる者のリスト等、政府が把握する暴力団員等に関する情報がカジノ事業者に伝わると、当該情報が暴力団員等に漏えいする危険性があると考える。例えば、暴力団員等に該当するか否かの判断に資するように、暴力団員等の情報を政府がカジノ事業者に提供するなど、政府が把握する暴力団員等に関する情報が事業者等に伝えられることは、絶対にないと理解してよいか。
四 整備法第六十八条第一項において、カジノ事業者は、「カジノ行為に対する依存による悪影響を防止する観点からカジノ施設を利用させることが不適切であると認められる者」のカジノ施設の利用を制限する措置を講じなければならないとされている。カジノ管理委員会は、「カジノ施設を利用させることが不適切であると認められる者」として、具体的にどのような者を想定しており、当該者に該当するかをカジノ事業者に具体的にどのように判断させるのか。
五 カジノ施設への入場記録等の情報は、カジノ事業者同士やカジノ事業者とカジノ管理委員会との間で共有されるのか。
六 カジノ施設への入場者には入場料等が賦課されることとなっているが、整備法第百七十六条第一項において、入場料等が賦課される入場者から「本邦内に住居を有しない外国人」が除かれている。すなわち、国民からは入場料を徴収する一方で、外国人旅行者からは入場料を徴収しない制度となっている。外国人の入場者に対しては、国民よりも高額な入場料負担を求めるべきと考えるが、政府の見解を問う。
七 ギャンブル等依存症対策基本法(平成三十年法律第七十四号)第六条において、地方公共団体は、ギャンブル等依存症対策に関する施策を実施する責務を有するとされているが、国策として進めているカジノ事業によるギャンブル依存症患者へのケアは、国が責任をもって行うべきであり、法定受託事務とすべきであると考えるが、政府の見解を問う。
八 整備法第七十条第一項において、カジノ事業者は、入場者の入退場時に個人番号カードや旅券等により本人確認等を行うこととされている。
 1 偽造された個人番号カードや旅券が本人確認等に利用されることを防止するため、カジノ事業者に、具体的にどのような確認を行わせるのか。政府の見解を問う。
 2 政府は、個人番号カードの偽造防止のために、具体的にどのような措置を講じているのか。
九 カジノ施設への不正な入場やカジノ施設内での違法行為が、カジノ事業者の関与により行われること、例えば、カジノの利用客に、形式的に従業員等の身分を与えて入場させることなどはあってはならないと考える。カジノ事業者が関与して行われる利用客の不正入場やカジノ施設内での違法行為について、カジノ管理委員会は、具体的にどのように防止するのか。
十 カジノ事業者は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成十九年法律第二十二号)第二条の規定による「特定事業者」に該当し、疑わしい取引の届出が義務付けられている。カジノ事業者が当該届出をせずに情報を隠蔽することはあってはならないと考えるが、カジノ管理委員会は、カジノ事業者による届出の実効性をどのように担保し、疑わしい取引情報の隠蔽をどのように防止するのか。
十一 整備法第二百二十八条において、カジノ管理委員会は、整備法の施行に関し必要があると認めるときは、公務所等へ照会し、必要な事項の報告を求めることができるとされている。そのため、カジノ管理委員会は、審査や監督のために、暴力団等に関する情報や国税に関する情報など、他府省庁が保有する機密性の高い情報も扱うことが想定される。
 機密性の高い情報を扱うカジノ管理委員会で使用される情報システム等の導入・維持管理等を行う担当者については、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律(令和六年法律第二十七号)に規定する「適性評価」と同様の厳格な調査を行うことにより、信頼性を確保すべきと考えるが、政府の見解を問う。
十二 機密性の高い情報を扱うカジノ管理委員会で使用される情報システム等については、情報漏えいを防ぐため、クラウドサービスは利用していないと理解してよいか。
 
 右質問する。

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