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令和七年六月六日提出質問第二二九号
金融経済教育推進機構が掲げた重要業績評価指標に関する質問主意書
提出者 水沼秀幸
金融経済教育推進機構が掲げた重要業績評価指標に関する質問主意書
金融経済教育推進機構(J−FLEC)は岸田政権(当時)が掲げた資産所得倍増プランの目玉のひとつとして、昨年官民一体で設立された認可法人である。J−FLECの事業は、金融経済教育を通じて国民の安定的な資産を形成するといった、国民にとって非常に関心の高い事業であり、その必要性と重要性は十分に認められるものであると考える。
金融リテラシーについては、二〇二四年十月に解散した金融広報中央委員会が三年に一度、十八歳以上七十九歳以下の個人を対象に、お金や金融に関する知識あるいは行動の特徴を把握するためにアンケート調査を実施している。直近の二〇二二年に実施された調査よると、金融経済教育を行うべきと思うと回答した者が約七十二%存在する一方、学校、大学、勤務先において金融経済教育を受ける機会があったものの、それを受けたと認識している者の割合は全体の約七%にとどまっている。この後者の調査項目は、日米比較が可能な項目になっており、米国の場合は約二十%と、我が国の数字が大きく劣後する状況となっている。
だからこそ、金融経済教育を多くの人に届けるべく、J−FLEC自身がKPI(重要業績評価指標)・目標として、講師派遣における「年間実施回数一万回」および「年間参加人数七十五万人」を掲げたことは公表資料のとおりである。
しかしながら、二〇二四年度における第三四半期(設定期間の七十五%)が経過した時点における、KPIの達成状況は年間実施回数三千七百回(達成率三十七%)および年間参加人数二十二万五千百九十一人(達成率三十%)と大幅に未達の状況となっている。なお、J−FLECには国民が収めた税金が原資の一部となっている政府予算から、一億五千万円の補助金が投入されている。
これらのことについて次の質問をする。
一 金融庁から示された年間の講師派遣の実施回数見込みは四千八百十二回であるが、二〇二四年度の確定回数および年間参加人数の確定数をそれぞれ可能な限り示されたい。確定していないのであれば、把握している見込み数をそれぞれ示されたい。
二 二〇二四年度のKPI・目標に対する実績は半数程度の達成率である。KPI・目標に対して大幅に未達となった理由をどのように考えるか、政府の認識を問う。
三 二〇二五年度のKPI・目標
1 J−FLECの二〇二五年度事業計画が公表されており、KPI・目標については昨年度と同数の年間実施回数一万回と年間参加人数七十五万人を目標として掲げている。二〇二四年度は大幅にKPI・目標未達であった結果を踏まえ、何を改善し、どのような施策を新たに追加することでKPI・目標達成を成し遂げさせるのか、政府における具体的な監督計画を示されたい。
2 国からの補助金一億五千万円の中でも、職域向け講師派遣事業費に最も多くの予算が割り当てられている。また、令和七年四月四日の衆議院財務金融委員会において、加藤大臣より「より多くのイベントやセミナーを開催できるよう、金融機関、企業、教育機関、地方公共団体、さらに、今労働組合のお話もしていただいたと思いますが、様々な団体に対して共催などの働きかけを行っていくこととしております。」という答弁がなされている。大臣の発言を踏まえ、J−FLECは、KPI・目標達成に向けて二〇二五年度に企業へ何社、教育機関へ何校、地方公共団体や労働組合へ何団体に依頼を出す計画であるのか、政府の把握するところをそれぞれ可能な限り示されたい。
右質問する。