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令和七年六月六日提出質問第二三〇号
在外公館に勤務する外務医務官人材の活用に関する質問主意書
提出者 早稲田ゆき
在外公館に勤務する外務医務官人材の活用に関する質問主意書
海外の医療事情の悪い地域、また支援拠点としての医療先進地に位置する百四の我が国の大使館及び総領事館に、二〇二三年四月現在で、百八名の医師が、外務医務官として勤務しており、その主な職務は、@大使館員とその家族の診療と健康管理(基本業務)、A医療事情調査・情報収集と、在留邦人に対する情報発信、B近隣諸国公館への定期巡回検診、健康相談、C緊急移送支援、D在留邦人の保健相談、E任国の医療関係者・病院との関係構築と外国公館との交流の六つと承知している。
一 このうち、A及びEの職務の成果について、もっと政府全体の政策に活用し、反映するしくみが必要ではないか。政府の見解をあきらかにされたい。
二 コロナ禍が終わったあとも、中国などで未知の感染症が報告されているが、とりわけ感染症危機への対応に関し、外務医務官の現地情報収集能力が十分いかされていないのではないかとの現場からの声を聴いている。このことについて、武見厚生労働大臣(当時)は昨年五月八日の衆議院厚生労働委員会において、外務医務官と厚労省の迅速な情報共有を図る旨答弁し、内閣感染症危機管理統括庁審議官(当時)は、連携していく旨しか答弁しなかったが、それでは不十分であると考える。内閣感染症危機管理統括庁のポストに、外務医務官経験者を積極的に登用するべきではないか。政府の見解をあきらかにされたい。
三 現役の外務医務官の一部に対して、内閣感染症危機管理統括庁及び厚生労働省感染症対策部の職員として併任の発令を行い、海外での情報収集の成果をダイレクトに政策判断に活用できるようにすることを、積極的に検討すべきではないか。政府の見解をあきらかにされたい。
四 厚労省には医系技官のポストがあり、次官級の医務技監をトップに、二〇二五年四月現在で、医師免許所持者が二百八十三名在籍している。また厚労省が職員を世界各地の在外公館へ館員として派遣しているのも承知しているが、世界全体でわずか四十名の上、その中には当然労働分野の職員もおり、医師免許所持者は三名のみと承知している。これでは世界中の感染症危機に関する専門的情報収集能力に欠けると言わざるをえない。百八名の外務医務官の活用をあらためて検討すべきではないか。政府の見解をあきらかにされたい。
右質問する。