質問本文情報
令和七年六月六日提出質問第二三三号
刑事訴訟法第二百三十九条第二項に関する質問主意書
提出者 櫻井 周
刑事訴訟法第二百三十九条第二項に関する質問主意書
刑事訴訟法第二百三十九条第二項は「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」という公務員の犯罪告発義務を規定している。これは、「行政が適正に行われるためには、各種行政機関が相互に協力して一体として行政機能を発揮することが重要であるところ、犯罪の捜査ないし公訴権の行使といった刑事に関する行政作用についても、その適正な運用を図るためには各種行政機関の協力が必要であることに加え、告発に裏付けられた行政運用を行うことにより、行政の機能がより効果的に発揮されることを期待する趣旨によるものである」(松尾浩也監修、池田修ほか編集代表「条解刑事訴訟法(第五版)」弘文堂)とされているところ、以下のとおり質問する。
一 内閣衆質二〇一第二七一号において政府は、同項の要件を満たす場合には、「原則として公務員には告発義務が課せられていると解される。」と答弁している。この答弁に変更はないか、政府の見解を明らかにされたい。
二 同答弁において政府は、一般論として、公務員が正当な理由なく同項の規定に違反した場合には懲戒処分の対象となる旨の答弁を行っている。現在においても、公務員が公務員の犯罪告発義務を懈怠した場合、国家公務員法または地方公務員法上の懲戒処分の対象となり得るか、政府の見解を明らかにされたい。
三 兵庫県の齋藤知事に関する告発文書を作成した元県民局長の私的情報を漏えいしたことが第三者委員会において認定され、懲戒処分を受けた元総務部長の情報漏えい行為は、地方公務員法第三十四条第一項の守秘義務違反に該当するものと考えられるにもかかわらず、兵庫県は刑事訴訟法第二百三十九条第二項に基づき元総務部長を刑事告発する手続を行っていないと承知している。こうした兵庫県の対応は同項の規定に違反するものか、政府の見解を明らかにされたい。
四 三で述べた兵庫県の対応は、地方公務員法第二十九条第一項第二号の「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」に該当すると考えられるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 三で述べた兵庫県の対応は、各種機関が相互に協力して一体としてその機能を発揮すべき行政の在り方に反するものと考えられるが、こうした兵庫県の姿勢を是正させるためにはどのような措置が考えられるか、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。