質問本文情報
令和七年六月十日提出質問第二三八号
ミニマム・アクセス米と国内消費量等に関する質問主意書
提出者 竹上裕子
ミニマム・アクセス米と国内消費量等に関する質問主意書
米価格が高い、備蓄米の放出など米が話題となっている。私の地元愛知県豊橋市でも、豊橋ブランド米「女神のほほえみ」の玄米価格が、令和四年には一キログラム当たり七百円であったものが、令和七年には九百九十八円と高騰している。日本保守党は食料安全保障の観点から、国内産品の国内消費を重点政策項目で掲げている。「国防・エネルギー・食」は国際的には外交カードにもなり、これらを守ることが政治の役割である。米が日本人の主食というのならば、その米を日本人が食べられないのは恥ずべきことであると考える。
米問題の一つにいわゆるミニマム・アクセス米(以下「MA米」という)がある。MA米の輸入量は、平成七年〜令和六年合計で二千百十六万トンにもなり、国内の米農家経営を圧迫していると考える。これらを踏まえ以下質問する。
一 現在、MA米として年七十七万トンを無関税で輸入している。しかしながらこのMA米の数量は、当初、昭和六十一〜昭和六十三年の米消費量年千六十五万トンを基準とし算出され、その後、平成十一年の関税化措置により設定された数量であると承知している。令和五/六年の米需要実績は七百五万トンであり当時と大幅に異なる。現在の消費量を基準とすれば大幅に輸入量を減らすことができるはずであると考えるが、MA米の数量を再交渉する考えはないか。
二 MA米輸入数量二千百十六万トンの内訳は、主食用百七十一万トン、加工用五百七十九万トン、飼料用九百六十八万トンである。MA米の一部は食料援助用として、平成七年四月〜令和五年十月末合計で三百三十六万トンが使用されている。また、米の不作因子として猛暑があげられるが、実は気温が高い方が米そのものは多く採れる。しかし品質検査で「白濁米」が増え、主食用米から加工・飼料用になっているのが現状であり、その数量は、令和六年で約六十八万トンになると承知している。MA米を食料援助用として輸入するのを止め、国内で収穫された白濁米を活用することを提案したいが、政府の考えをお聞きしたい。
三 過去五年間の備蓄米補充予算は五百億円である。次の備蓄米補充は翌々年度となるが、米価格が高騰するなか、予算は足りるか。また、MA米を備蓄米として利用する考えはあるか。
四 令和五年度食料安定供給特別会計貸借対照表の資産「貸付米」は六百九十二億円とされる。政府は、過去、国際連合世界食糧計画を経由し、北朝鮮に政府所有米穀の貸付けを行っており、この償還期限は令和十三年であると承知している。拉致問題が未解決である北朝鮮から、米が償還されると政府は考えているのか。
五 二〇二四年版開発協力白書によると、日本の国際協力における令和五年までの総支出額は六千三百八十四億ドルと巨額である。政府は、国外を支援するばかりではなく、国内の支援にも力を入れるべきではないかと考える。農業であれば生産余剰となった食料を支援物資として輸出する、あるいは穀物、野菜などの食料品を政府が支援金で買い取り、支援物資を輸出するなどである。さらには支援金を農業、国内インフラ整備などに活用することはできないだろうか。政府の考えをお聞きする。
右質問する。