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令和七年六月十一日提出質問第二四六号
尖閣諸島周辺海域における海洋資源開発に関する質問主意書
提出者 鈴木庸介
尖閣諸島周辺海域における海洋資源開発に関する質問主意書
我が国は世界第六位の排他的経済水域面積を誇る海洋国家であり、海洋基本法に基づく海洋基本計画及び海洋エネルギー・鉱物資源開発計画に基づき海洋資源の開発が行われている。その中でも、尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海は特に有望な海洋資源が埋蔵されていると期待されており、我が国でも沖縄本島近海を中心に調査が進められていると承知している。
尖閣諸島周辺海域での原油等(原油・天然ガス)資源については、報道によると、一九六九年に国際連合アジア極東経済委員会(当時)が公表したデータで約千九十五億バレルの原油等が、一九九四年の通商産業省(当時)の石油審議会の開発部会が公表したデータで約三十二・六億バレルの原油等が埋蔵されているとされている。
また、二〇一二年十月三日の日本経済新聞の記事によると、石垣島周辺海域での海底熱水鉱床の存在が確認されており、金、銀、銅、亜鉛やレアメタル等の有力な供給源として期待されている。この海底熱水鉱床は、尖閣諸島周辺海域での存在も示唆されているが、その後同周辺海域で調査が行われているとの報道はないと承知している。
尖閣諸島は二〇一二年九月に国有化されたが、この国有化は「平穏かつ安定的な維持・管理を図る」ためのものであるとしており、今日に至るまで我が国において尖閣諸島及び周辺海域において大規模な開発が行われているとの報道はないと承知している。
これらを踏まえ、以下質問する。
一 尖閣諸島周辺海域での原油等資源調査について
前記一九九四年の通商産業省(当時)でのデータ公表以降、尖閣諸島周辺海域での新たな原油等資源調査は行われていないと承知しているが、調査を行うに至らなかった理由を示されたい。
二 尖閣諸島周辺海域での海洋鉱物資源調査について
尖閣諸島周辺海域での海洋鉱物資源調査及び開発はこれまでに行われているか。行われている場合は、その調査及び開発の概要と結果をそれぞれ示されたい。行われていない場合は、なぜ行われていないのか理由を示されたい。
三 国有化後の尖閣諸島の開発について
前述のとおり、政府は尖閣諸島の国有化について、これまで度々「平穏かつ安定的な維持・管理を図る」ことが目的であると答弁してきた。しかしながら、尖閣諸島は我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。よって、前記の目的は達成されているのであるから、国有財産の有効な活用及び安定的な資源供給の観点から、今後は維持・管理のみならず、尖閣諸島及び周辺海域の開発を積極的に行うべきではないかと考えるが、政府の見解を問う。
右質問する。