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令和七年六月十一日提出
質問第二四七号

外国人の所有する国内不動産に対する課税に関する質問主意書

提出者  鈴木庸介




外国人の所有する国内不動産に対する課税に関する質問主意書


 近年、外国人による我が国国内の不動産に対する投資が活発に行われている。外国人による不動産取得については、オーストラリアのように購入できる不動産の種類に制限を設けている事例や、シンガポールのように取得時に自国民より高率の追加印紙税をかけることにより実質的に購入を制限している事例が存在し、この他にも様々な規制により自国民と外国人に差を設けている国が多数あると承知している。
 我が国では基本的に外国人及び外国法人であっても日本人と同様の条件で国内不動産の購入、所有権の取得が可能であり、いわゆる重要土地等調査法第十三条第一項に基づく届出制度を除き、特段の規制が存在しない。そのため、我が国の不動産市場における外国人投資家の割合は増加傾向にあり、二〇二一年三月に国土交通省が公表した、令和二年度海外投資家アンケート調査業務報告書によると、二〇二〇年の不動産投資市場で海外投資家の占める割合は全体の投資額の三十四パーセントであるとされており、また、二〇二四年十二月にシービーアールイー株式会社が発行した、不動産マーケットアウトルック二〇二五によると、十億円以上の投資用不動産取引のうち、海外投資家の投資額が占める割合は二〇二〇年以降概ね三十パーセント前後で推移していると承知している。
 このように、我が国の不動産投資市場において、外国人投資家は少なからぬ存在感を示しているが、近年、これらの外国人が所有する国内不動産に対する課税についての問題が各種報道機関において報じられていると承知している。
 不動産を含む日本国内の財産を相続により取得した場合、相続人及び被相続人の国籍や国内住所の有無にかかわらず、相続人は相続税の納税義務を負うことになる。
 ところが、我が国の税務当局は国内に住所を持たない外国籍の国内財産所有者の死亡を直接的に把握する手段を持たないため、当該財産に係る相続の発生を把握することができず、適切な課税が行われていないのが現状である。また、法人が所有する不動産は原則として相続税の課税対象にならないため、法人名義での所有や、海外で売却益を処理するといった手法による課税逃れが平然と行われているとの報道もあると承知している。
 これらの認識を前提に、以下質問する。

一 外国人による国内不動産取得の制限について
 1 諸外国では外国人による不動産取得に制限を設けている国が多数あり、日本国内においては不動産市場における外国人の影響力が高まっている現状があるが、現行制度上、我が国において外国人による国内不動産取得の制限が設けられていない理由は何か。
 2 今後外国人による国内不動産取得に制限を設けるべきであると考えるか、政府の見解を問う。
二 海外在住者の滞納処分について
 1 海外在住の外国籍の納税者が国税を納期限までに納付しなかった場合、滞納処分として差押えを行うことは可能か。
 2 差押えの範囲に国外財産が含まれる場合、当該国外財産に対して差押えを行うことは可能か。
三 相続の発生の把握について
 国内に住所を持たない外国籍の国内不動産所有者の死亡に伴う相続について、税務当局が当該国内不動産の相続の発生を把握する手段として、相続人による相続税の申告と、登記情報連携システムによる異動情報の提供の二つの手段があると認識しているが、これら以外に税務当局が国内不動産の相続の発生を把握する手段はあるか。あるとすればそれはなにか。
四 相続税の適切な課税について
 前記三の質問において、税務当局が他に当該国内不動産の相続の発生を把握する手段を持っていないとすると、相続人による相続税の申告がなされない場合には、本来課税対象である当該国内不動産に対する相続税の課税ができないことになるが、これはいわゆる租税公平主義に反しないか。反すると考える場合、なぜ是正する措置を取らないのか、政府の見解を問う。
 
 右質問する。

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