質問本文情報
令和七年六月十六日提出質問第二九二号
沖縄における過重な米軍基地負担に関する質問主意書
提出者 山川 仁
沖縄における過重な米軍基地負担に関する質問主意書
国土面積の約〇・六%しかない沖縄に、全国の約七十・三%の在日米軍専用施設・区域が依然として集中している現状は、異常としか言いようのない過重な基地負担を抱えているといえる。
この点に関し、以下の事項について質問する。
一 米軍普天間飛行場の返還の目処が立たないなか、政府が辺野古新基地建設を強行するのはなぜか。沖縄県ホームページなどによれば、「本土の理解が得られない」という理由で移設先が沖縄県内に限定されてしまっているが、沖縄県の過重な基地負担は合理的根拠のない差別に該当し、憲法第十四条第一項の平等原則に違反するのではないか、政府の見解を示されたい。
二 平成三十一年二月に実施された、辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票において、投票総数の約七十二%が反対の民意を示した。沖縄県はいわゆる県民投票条例に基づき、その結果について、日米両政府に通知し、辺野古移設断念と対話による解決を求めたが、日米両政府は「辺野古が唯一の解決策」との姿勢を変えず、県民の思いを顧みることなく工事が強行されている。
1 これだけの民意が示されているのに、対話すら応じない理由を説明されたい。
2 「唯一の解決策」の「唯一」とはどのような意味で用いているのか。将来にわたり、他の選択肢について一切の考慮をしないということなのか、政府の見解を示されたい。
3 「唯一の解決策」としている理由について、受け入れる自治体がほかにないからなのか、政府の見解を示されたい。
4 沖縄県民も反対の民意を明確に示しており、「本土の理解が得られない」というのであれば、沖縄県民の理解も得られていないと考えるが、政府の見解を示されたい。
三 令和六年十一月、日米の軍事関係者が集まるシンポジウムで、自民党の小野寺政調会長は「日米両政府は北マリアナ諸島テニアンで共同使用する訓練場の整備を計画する」「初めて逆の意味での日米地位協定を求めることになる」などと述べ、常駐の部隊を米国に置く意思を表明したとされる。
1 政府は同じ考えなのか。見解を示されたい。
2 自衛隊が米国に駐留することで、日本における米軍基地負担が縮小されると考えているのか、政府の検討状況と今後の方針について、それぞれ具体的に説明されたい。
3 米国領における自衛隊の駐屯を足掛かりに、いわゆる日米地位協定を改定することは可能と考えるのか、政府の見解を示されたい。
四 公明党の山口那津男元代表は、令和六年八月、多国間の安全保障対話の枠組みとして欧州安保協力機構のアジア版の創設とその本部を東京に設置することを提言した。同組織は潜在的に対立関係にある国も参加し、戦争を起こさないような予防外交を行う仕組みの一つであり、NATOのような軍事同盟とは違う性格を持つものであると承知している。抑止力のみに依存するのではなく、地域の安全保障環境の不安定化を避けるためにも、沖縄にそのような信頼醸成を図ることができる機関を設置することを国際社会に呼びかけるべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
右質問する。