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令和七年十月二十四日提出
質問第二二号

風俗求人のアドトラックに対する適切な規制の在り方に関する質問主意書

提出者  八幡 愛




風俗求人のアドトラックに対する適切な規制の在り方に関する質問主意書


 近年、繁華街などを中心に、風俗業の求人サイト等を宣伝する広告宣伝車(いわゆるアドトラック)が、昼夜を問わず走行している事例が全国で確認されている。これらの車両は、派手な装飾や大音量の音楽を伴うものも多く、地域住民や観光客からの苦情が相次いでいる。特に、通学路や駅前を通過する際に、未成年者が性的内容を含む広告表現に曝されるとの指摘もあり、健全な社会環境の維持の観点から懸念が高まっていると承知している。
 もとより、憲法第二十一条第一項が保障する表現の自由は、民主主義社会における基本的人権の根幹をなすものであり、国家による規制は慎重に行われるべきであり、広告・宣伝活動においても、表現の自由の保障の下に営まれるべきであり、その自由が不当に制限されることがあってはならないと考える。
 しかしながら、前述したような状況が発生する背景には、現行法制度上、風俗業の求人広告に関する屋外広告物規制が極めて限定的であり、走行中の車両広告に対しては屋外広告物法や風営法の直接的な適用が及びにくいことがあると考える。また、騒音規制や道路使用許可制度も、広告目的での音声拡散やルート選定について、実効的な抑制を行う仕組みが十分に整っていないと考える。
 さらにアドトラック事業の関係者に取材した報道によれば、こうしたアドトラックによる事業は求人サイトの知名度向上に著しい効果をもたらす一方、運営者自身が「青少年に悪影響を及ぼす」「社会的に健全ではない」として後悔を表明する事例も報告されている。すなわち、広告主自身でさえ、現行の野放し状態に問題意識を抱いている状況であると承知している。
 以上を踏まえ、表現の自由を最大限に尊重しつつも、公共空間における適切なバランスの確保と青少年保護の観点から、慎重かつ合理的な規制の在り方を検討するため、以下の事項について政府に質問する。

一 政府は現在、風俗業の求人広告を掲げたアドトラックの走行実態について、どのように把握しているか。政府の認識と評価を明らかにされたい。
二 現行法制度上、風俗業の求人広告を掲示して走行するアドトラックについて、屋外広告物法、道路交通法、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)、公職選挙法等の関連規定はいずれも適用対象外または限定的であるとされるが、その法的整理について政府の見解を示されたい。
三 アドトラックの音量や走行ルート、時間帯に関して、騒音規制法、道路使用許可制度、または都道府県公安委員会による指導の実効性について、どのように評価しているか。
四 政府として、特に青少年の健全育成の観点から、昼間や通学時間帯に風俗求人広告を含むアドトラックが走行することを是認できると考えているか。判断基準もあわせて具体的に示されたい。
五 広告・表現の自由を尊重しつつも、公共空間における性的表現や求人広告の露出について、社会的影響を踏まえた「時・場所・方法(TPM)」規制を導入する必要性について、政府はどのように考えるか。
六 アドトラック広告に対し、自治体が独自条例等により走行や内容を制限することは憲法上問題があると考えるか。憲法第二十一条第一項の保障との関係で、政府の憲法解釈を示されたい。
七 政府として、風俗求人のアドトラックについて、@音量規制、A走行ルート・時間帯規制、B広告内容規制(性的表現や求人文言の制限)などを統合的に検討する省庁横断の枠組みを設ける考えはあるか。今後の検討方針を示されたい。
八 現時点で、国民生活センターや警察庁等に寄せられたアドトラック関連の苦情・相談の件数と内容を可能な限り明らかにされたい。
九 政府は、民間事業者の営業活動としての自由を認めつつも、公共空間の秩序と青少年保護を両立させるために、どのようなガイドラインや制度改正の検討を進めているか。現状と今後の方針を具体的に示されたい。

 右質問する。

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