質問本文情報
令和七年十二月八日提出質問第一二一号
国立大学における外国人留学生の学費値上げに関する質問主意書
提出者 福田 玄
国立大学における外国人留学生の学費値上げに関する質問主意書
国立大学法人東北大学(以下、東北大学)において令和九年度より外国人留学生の学費値上げが検討されていると聞く。これに先立ち文部科学省はすでに令和六年に国立大学に通う外国人留学生の授業料の上限を撤廃したことは承知しているところであるが、政府が令和十五年までに外国人留学生四十万人を目指すと高らかにうたっているなかで、学費値上げを容認する政策を断行する政策的整合性を理解できずにありつつも、学費値上げに応じる国立大学法人がなかったことから大学人の良識ある判断に敬意を表していた。しかしながら、今般、東北大学が外国人留学生の学費を日本人学生に比して一・七倍に引き上げる計画という報に接し、我が国の大学など教育研究機関の国際競争力を高め、優れた外国人留学生を戦略的に獲得するという政府のこれまでの方針と矛盾するのではないかと危惧するものである。あまつさえ高市政権となり外国人政策の転換が計られるなかにあって、国立大学の学費が値上げされるという就学環境となると、外国人留学生の日本の国立大学への関心は相対的に下がるものと考える。聞くところによれば、東北大学の外国人留学生の学費値上げの理由は、外国人留学生の受入れ環境整備とのことである。具体的には、英語での授業や日本語教育、学習や生活の相談体制整備などにコストがかかると推察するものであるが、国策として外国人留学生を増やそうという状況にあるのであれば、こうした外国人留学生を迎えるための環境整備費を各大学に押し付けるのは政策的に不徹底なものと考える。ましてや、こうした環境整備にして手厚い支援を受ける留学生に「受益者負担」を求めるなどという考え方は、優れた外国人留学生を獲得するという政府が公言しているお題目とは正反対のものであり、以下に政府の真意を問うものである。
一 政府が掲げる令和十五年までに外国人留学生数四十万人という目標はすでに達成されているということなのか、現状の数値も含めて明らかにされたい。
二 国立大学法人における外国人留学生の教育・研究環境整備については、国策として優秀な外国人留学生を増やすべしという環境にあっては、国や国立大学法人が所在する都道府県の費用によって賄うべきではないかと考えるが政府の見解を明らかにされたい。
三 また、欧米においては、外国人留学生に対して学費を高く設定する例が多いという話が聞こえてくるが、たとえば、ドイツ、イタリア、フランスの国公立大学において外国人留学生に対して学費をどの程度高く設定しているのか参考のため明らかにされたい。
右質問する。

