衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和七年十二月九日提出
質問第一二八号

更生保護施設等の持続可能な運営に関する質問主意書

提出者  佐々木ナオミ




更生保護施設等の持続可能な運営に関する質問主意書


 矯正施設から出所・出院した者等を受け入れる更生保護施設や自立準備ホームは、宿泊場所や食事の提供だけでなく、保護期間中に必要となる支援を行い、自立を援助することで、再犯や再非行の防止のために重要な役割を果たしている。
 これらの施設の運営は、寄附金等のほか、国から支払われる更生保護委託費によって行われているが、近年物価の高騰が続き施設運営のためのコストが増加する中、令和五年度においては、七割程度の施設において支出が収入を上回る状況であり、更生保護施設等の事業存続が危機に瀕している状況にあるとされている。
 このような状況にもかかわらず、令和七年度予算における更生保護委託費は、令和六年度から更に八千九百万円の減額となっている。
 以上を踏まえて質問する。

一 毎年度予算における更生保護委託費総額及びそれぞれの更生保護施設等への割当額はどのように積算されているのか。また、積算に当たっては、前年度の受入人数の増減及び物価の上下動等は具体的にどのように考慮されているのか。
二 令和七年十月九日付の事務連絡「更生保護委託費の一層厳格な執行管理について」では、更生保護委託費予算について令和七年度末時点で二億六千万円以上の不足額が生じる見込みであり、被保護者一人当たりの平均委託日数を六十五・三日以内として委託する必要があるなどとして、予算執行状況を踏まえた委託がなされるよう求めている。
 1 本件事務連絡における不足額の積算の根拠は何か。また、多くの更生保護施設等が物価高や固定費の捻出に苦しむ中で、このような事務連絡を発出した意図はどのようなものか。
 2 本件事務連絡が事実上の経費削減を伴うものとすると、保護が不十分なまま早期の委託終了を余儀なくされる被保護者が生じかねず、被保護者の更生の観点及び再犯防止の観点から支障が生じるものと懸念されるが、本件事務連絡によってこれらの点につきどのような影響が及ぶことが見込まれるのか。
 3 本件事務連絡に関し、法務省は去る十一月二十一日の衆議院法務委員会において、「適切な保護の委託を確実に行えるよう、現在、補正予算の活用を含め、様々な対応を検討」していると述べているが、本年度において具体的にはどのような措置を講じることとしているのか。
三 更生保護委託費が前年度までに収容が行われた実績に基づいて国から支払われることを前提とすれば、収容が少ない状況が続くことにより収入低下が定常化することとなるが、更生保護施設等の運営に際しては、収容人員の有無や多寡にかかわらず、恒常的に常勤職員・非常勤職員等の人件費、家賃や光熱費などのいわゆる固定費の発生が避けられない。
 1 収容実績をベースとする更生保護委託費の在り方を改善する等して、これらの固定費見合い分を必要最低限は確保し、更生保護施設等の運営の維持が可能となるように努めるべきと考えるが、委託費の算定方法・算定基準の見直し等について考えているところはあるか。
 2 いわゆる「更生保護施設整備五か年計画」に基づき実施されている更生保護施設の老朽化対策の支援について、実施状況及び拡充予定の有無について回答されたい。
四 仕事を探しやすい、前科等を知る者が周囲にいないなどの理由から、地方にある更生保護施設等よりも都市部にある更生保護施設等への入居を希望する保護対象者が多く見られるが、入所者の多寡に伴い委託費が決定される状態では、地域間での更生保護施設等の経済的格差が拡大していくことが懸念されるところ、その解消に向けてどのような措置を検討しているか。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.