質問本文情報
令和七年十二月十二日提出質問第一七五号
科学技術分野における国際協力に関する質問主意書
提出者 杉村慎治
科学技術分野における国際協力に関する質問主意書
今日において、AI、サイバー技術、バイオテクノロジー、宇宙開発、量子技術などの科学技術は、国家安全保障、経済競争力、国民生活の質的向上に不可欠な基盤となっている。これらの分野は、単独での開発が困難であり、国際的な研究協力やデータ共有、標準化への積極的参画が不可欠である。他方で、国際協力の推進にあたっては、経済安全保障上のリスク、デュアルユース技術の管理、外国研究者の受け入れに伴う安全保障上の懸念など、慎重な対応を求められている。
科学技術の向上は、我が国の安全保障体制の強化、医療・福祉の高度化、災害対応力の向上、産業競争力の強化、そして国民生活の利便性向上の基盤となるものであり、政府には、国益に適う戦略的取組を進めるよう求め、以下、政府に質問する。
一 政府は、これまで科学技術分野での国際協同研究を推進してきたが、その成果は、我が国の医療、環境、エネルギー、防災など国民生活に直結する分野でどのように生かされているのか。政府の見解をお示し頂きたい。また、国民生活の質的向上に資する技術(例えば次世代エネルギー、医療AI等)について、国際協力を通じた開発の具体的事例を示されたい。
二 政府は、研究者の国際流動性が、日本の科学技術力向上や安全保障強化にどのように寄与してきたと認識しているのか。また、研究者の国際的ネットワーク形成において、日本が直面している課題は何であると認識し、政府はどのような改善策を検討しているのか。
三 先端技術分野における国際標準化活動に、我が国は、どの程度関与しているのか。また、国際標準化活動に参加する研究者や企業に対し、政府は何らかの支援策を講じているか。具体的な支援策をお示し頂きたい。
四 科学技術基本計画における国際協力の位置づけと、政府が掲げる具体的な目標を示されたい。また、今後、我が国の安全保障や国際競争力の強化の観点から、協力を強化すべき国や地域、また技術分野を特化していく必要があると考えるが、政府の見解は如何か。
五 科学技術外交を推進するための省庁間連携の現状と課題について、政府の見解を示されたい。
右質問する。

